総務省は1月30日、2023年の人口移動報告を発表。東京都の転入超過は6万8285人で前年から8割増と、東京一極集中がコロナ禍前の規模に再拡大した。一方で40道府県は転出超過となり、長崎県は転出超過が6439人で全国ワースト5位。7位だった前年と比べて1220人多くなった。
市区町村別では、これまで3年連続全国ワースト2位だった長崎市は転出超過64人増の2348人でワースト3位にやや挽回したが、佐世保市は631人増の1845人でワースト5位に下がった。県内で転入超過は大村市(476人)だけ。転出超過が一桁だったのは東彼杵町(2人)と小値賀町(6人)、市部では五島市(71人)と松浦市(82人)が二桁だった。
本市の転出超過は221人で、22年の170人から大幅に増加した。この数年は160~170人で推移していたが一気に増加した。内訳は転入654人、転出875人で、22年は転入680人、転出850人だったので、ほぼ同じ割合で転入が減少し、転出が増加したことになる。
世代別に見ると、転入・転出の差が最も大きいのは15~19歳の60人(転入27人、転出87人)だったが、これは県外の高校・大学への進学や就職によるもので例年と同様の傾向だ。むしろ離島留学、いきっこ留学によりこの世代の転入者は多くなりつつある。20~24歳も51人の転出超過(転入106人、転出157人)だが、これも大学時代は住民票を壱岐に残していた人が、就職を機に転出届を提出したことが伺える。75歳以上は計22人の転出超過(転入9人、転出31人)で、これは島外居住の家族が高齢になった親を呼び寄せたり、島外の高齢者福祉施設に入所したことが考えられる。
問題は30~34歳の働き盛りで転出超過27人(転入59人、転出86人)となっていることではないか。能力を発揮できる仕事がなかったり、給与面などの待遇に問題があるのかもしれない。徹底的な分析を行い、対策を講じることが必要だ。