一支国博物館の市民絵画・写真展の表彰式が10月23日にあり、絵画部門最優秀の洲崎幸廣さん、写真部門最優秀賞の目良浩之さんら受賞した9人に賞状、副賞が贈られた。
洲崎さん(60)は本市出身で現在は福岡県筑紫野市に在住しているが、この作品展には5度目の出展という常連で初めて最優秀賞を獲得した。
作品の「一支国博物館ファンタジー(島の外から愛を叫ぶ!)」は博物館の展望台に立つ人面石くんが叫んでいる斬新な構図。ポスターカラーと油性色鉛筆で描いた作品で「人面石くんは壱岐の守り神的なキャラクターで、壱岐の観光の中心になっている博物館を守っている様子を、博物館への感謝の意味を込めて描いた。博物館は観光客だけでなく、島内在住者にも感動と発見を与えてくれる存在。ファンタジー空間に包まれた博物館の姿を、観た人の心がほっこりとしてくれるような作品に仕上げた」と洲崎さんは意図を話した。
絵画を始めたきっかけは漫画。「小学生の時から鉄腕アトム、鉄人28号、野球マンガが好きでよく描いていて、少年雑誌に掲載されたこともあった。15年前に病気をして、そのリハビリに風景画を描くようになった。故郷・壱岐を元気にしたいという郷土愛を作品のテーマにし、いまは楽しみながら描いている」と今後も作品を描き続けていく。
写真の部「旧帝国海軍諸津見張り所を訪ねて」で博物館特別賞を受賞した加藤博子さん(芦辺町)は93歳だが、スマートフォンを使いこなして撮影した。昨年出展した黒崎砲台の写真と同様に「貴重な戦争遺跡を後世に残して、平和の尊さを子どもたちに伝えなければならない」という思いから、この作品展への出展を続けている。
「特別賞の受賞には驚いた。若い時には兵隊さんが沢山いて、近づけないような場所だった。いまは誰もいなくて草がボーボーに生えている。この写真をきっかけに多くの人が戦争遺跡に興味を持ってもらえたら嬉しい」と話した。
同展には絵画23点、写真20点が出展され、来館者の投票(715票)で両部門の最優秀賞1点と優秀賞3点、それに加えて一支国博物館が博物館特別賞1点を選出した。最優秀には5万円分、優秀賞には1万円分のそれぞれ旅行券が、博物館特別賞には副賞が贈られ、受賞作品は1年間、同博物館で展示される。