県高校総合文化祭(美術部門)の審査結果がこのほど発表され、壱岐高校美術部2年の安永七海さんの「命綱」がデザイン部門(応募211点)で優秀賞に選ばれた。安永さんの作品は来年7月29日から鹿児島県で開催予定の全国高校総文祭に推薦される。
安永さんのデザインは、視覚障がい者が利用する点字ブロックの正しい利用を呼び掛けるもので、タブレットのアプリを駆使してデジタル画で描いた。
スマートフォンを見ながら歩く「歩きスマホ」の人が、点字ブロックを〝目印〟にしている問題をニュースで知り、自分で問題を調べて題材に選んだという。視覚障がい者にとって点字ブロックは「命綱」になっていることを深刻に訴えるため、全体を重たいトーンで描き、シチュエーションを表すため、歩きスマホ側の目線で描写。スマホ画面に「警告」を表示させ、危険な状況を訴えた。
安永さんは3歳の頃から美術に興味を持ち、部活動以外でも絵を描き、今年の文化祭ではポスターのデザインも手掛けた。普段は人物画を描き、物と背景のデザインは初。完成まで延べ4か月を要し、製作段階では顧問や部員の意見を参考に数十回の修正を加え、完成したのは締め切り前日だったという。
安永さんは「意見を出し合うことや客観的に見てもらう大切さを感じた。先生や部員に感謝したい」と話した。
美術部顧問の五貫(いぬき)研司さんは「どういうものを見つけてくるかがデザインは大事で、いろいろな所に興味を持ってくれたと思う。この題材を見つけて頑張って取材をしてくれたと思う」と讃えた。