「IKI ZINE FES(壱岐ジンフェス)」が11月23日、郷ノ浦町のクロスポート武生水で初めて開かれた。
ZINEは、少部数で発行する自主制作の本や冊子。文、写真、絵など内容も形式も自由に作られ、作者の表現方法や手法も様々で、手軽な表現手段として人気を集めている。
この日は市内外の約40組から70点以上の出品があった。
大きさも名刺大のものからA4版まで様々で、自身の半生を振り返ったものや写真に詩を添えたものなど、個性が際立つ作品が並んだ。
企画したのは、壱岐ZINE倶楽部代表の辻村いちさん(ペンネーム)(33)=郷ノ浦町在住=。読書が好きで、自身も4年前から執筆している。
元々、観光地の紹介記事が好きで、壱岐の観光について文章を書けるようになりたいと思い、オンラインのスクールに加入。そこで講師に褒められたのがきっかけだった。「嬉しいなと思って、小説も書きたいと思いました。好きだった作家さんに送ると褒められて、それが励みになり続けています」。
文学作品の展示即売会や福岡のZINEイベントにも参加してきた。今年7月、福岡のイベント後の交流会で「私、壱岐から来たんです」と水を向けると、ほぼ全員から「壱岐知ってます、行ったことありますよ」と嬉しい言葉が返ってきた。以前から壱岐でもイベントをやれたらとの思いもあり、この交流会での好感触は「島外の人も出店してくれるかも」と、背中を押してくれた。
「今の自分が生み出せるものを形にできるのがZINE。10年続ければ文化的に根付くと思う。今後は年1回を目標に続けたい」と話した。