長崎県高校総合体育大会が1日から県内各地でスタートした。諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で行われた陸上競技では、男子八百㍍決勝で松下翔紀(壱岐商3年)が1分54秒95で優勝したのをはじめ、本市の6人が7種目で6位以内に入賞し、第72回北九州高校総体陸上競技大会(インターハイ予選=6月13~16日・諫早市)への出場権を獲得した。昨年の同大会出場は松下ら2人だった。同大会で6位までに入れば8月4~8日に沖縄市ひやごんスタジアムで開催されるインターハイに出場できる。
前哨戦の県陸上競技選手県大会で四百、八百㍍の2冠を達成し、大会前には「県高校総体2冠は最低目標」と自信を見せていた松下だったが、初日の四百㍍でまさかの不覚を取った。準決勝を48秒63と自己ベストを更新するタイムでトップ通過し、決勝ではさらにタイムを更新して48秒53をマークしたが、県選手権は0秒01差で退けた大川翼(佐世保商3年)が48秒27と大きく伸ばして、2位に敗れた。大川の準決勝は49秒82。2時間前の準決勝での組み合わせもあり、目一杯に近い走りをした松下は疲れが抜け切っていなかった可能性もあった。それでも48秒53は昨年のインターハイ決勝8位(48秒24)と差は僅かで、自己ベスト更新は北九州大会、インターハイへ向けて自信になる結果となった。
「四百よりも八百の方が自信がある」と語っていたように、2日目の八百㍍決勝はきっちりと結果を出した。予選は1分59秒36、準決勝は1分56秒41と余力を持って走り、決勝は1分54秒95で優勝。2位の山田大詩(諫早3年)とは0秒04差と僅差になったものの、県高校総体優勝の栄冠を勝ち取った。タイムは昨年北九州大会の1分54秒83に僅かに及ばなかったものの、「昨年よりも力を付けていることは、はっきりと自覚している」だけに、北九州大会で大幅な自己ベスト更新も期待できる。八百㍍決勝では「小学校の時からずっとライバルで、2人で切磋琢磨して記録を伸ばしてきた」という大久保翔貴(壱岐3年)も1分56秒69で4位に入り、今年は2人で北九州大会出場を決めた。お互いを知り尽くした「2人のしょうき」が一緒に出場できることは、心強い支えになるはずだ。
松下は昨年の北九州大会で、四百㍍は予選落ち、八百㍍は決勝進出を果たしたが8位と、インターハイ出場をあと一歩で逃した。「今年こそ2種目でインターハイ出場を」の思いは強い。13日から走り慣れた諫早で開催される北九州大会へ向け、準備は万端だ。
男子砲丸投げでは上川慶(ちか、壱岐3年)が1位と41㌢差の12㍍46で4位に入ったほか、男子やり投げで末永明輝斗(壱岐商3年)が53㍍87で5位、2年生も男子五千㍍障害は谷口晴大(壱岐商2年)が27分05秒48で5位、男子棒高跳びで竹藤瑛介(壱岐商2年)が3㍍40で6位となり、北九州大会進出を決めた。