市議会定例会3月会議は5日開会し、総額236億7千万円の平成31年度一般会計当初予算案など35件を上程した。一般会計は、小中学校の耐震補強工事の終了、平成29年豪雨に伴う災害復旧費の減少などで、30年度当初の272億7千万円に比べ36億円(13・2%)減少した。新規事業としては、昨年12月会議で可決した市自治基本条例に基づく、新たな地域コミュニティ活動を行うためのまちづくり協議会設置事業に約4678万円、新設する健診センターの土地購入費などに約4466万円、壱岐イルカパークと周辺施設などを整備する壱岐島リブートプロジェクト事業に1億4千万円などが盛り込まれた。
新たなコミュニティ まちづくり協議会
まちづくり協議会設置事業は、行政主導によるまちづくりでは解決が困難な課題の解消を、市民が積極的に参画する地域団体が担い、協働型社会を目指す。その担い手団体となるのが小学校区ごとに設置するまちづくり協議会で、会は市のまちづくり交付金で、例えば高齢者の居場所づくり、コミュニティバスの運行、高齢者の見守りや買い物支援、地域イベントの開催などに取り組むほか、市からの委託事業として公園管理や公衆トイレ掃除など、会の自主的な事業として例えば宅配便受付業務、観光体験メニュー開発などにも取り組む予定だ。
予算案には、モデル地区運営交付金1500万円(250万円×6地区)、集落支援員委託費2100万円(350万円×6地区)、拠点施設修繕費300万円(50万円×6地区)、準備委員会補助金540万円(30万円×18地区)が盛り込まれた。組織づくりの方策、会で取り組む事業の方向性、公民館事業とのすみ分け、モデル地区の選定、今後のスケジュールなどは2月15日に設置された市行政区設置検討委員会(長岡信一会長)が月1~2回の会議で検討する。
健診センター建設 子育て支援強化
少子高齢化社会を迎え、子育て・健康管理にも多くの予算を割いた。現在、母子健診、介護予防事業などを実施している壱岐の島ホール106号室に郷ノ浦図書館の移転計画があること、またライフステージに応じた予防体制の充実を図るため、新たに健診センターを建設する。市内に4815平方㍍の土地を取得する費用、測量委託費、開発許可申請設計委託費などを盛り込んだ。また妊娠届け出、妊産・乳幼児健診・がん検診などの結果や予防接種の接種履歴を電算化して管理する健康管理システム整備に1672万円、新たに産後2週間健診を加えた母子保健健診に約2223万円を計上した。
新たな観光拠点 イルカパーク事業
壱岐イルカパークを再生して新たな観光拠点とするための壱岐島リブートプロジェクト事業は、水産体験やイルカと一緒に遊ぶ体験用に、更衣室・シャワールームなどを設置した体験棟整備の建設、カフェやコワーキングスペースなどの備品購入、串山キャンプ場の有効活用を含めて来場者サービスなどの指定管理を委託する壱岐パークマネジメント株式会社(高田佳岳社長)への補助金などが盛り込まれた。イルカパーク管理費として、指定管理費、イルカ2頭の購入費など3390万円を計上。リニューアルしたイルカパークはゴールデンウィーク前の4月下旬に営業を再開する予定だが、今後は2021年までの3年計画でイルカ頭数を9頭まで増やし、様々な体験プログラムの開発などで交流人口拡大を目指す。