地域情報

アマミサソリモドキの研究。壱岐高科学部が成果発表。

壱岐高校科学部(野田龍生、岩永凌征、松嶋真次)は、このほど発刊された「島の科学」平成30年3月号(壱岐「島の科学」研究会発行)に論文「壱岐島のサソリモドキについて~27年の時を経て、再び~」を発表した。

クモ網に属する節足動物アマミサソリモドキは、奄美大島を中心とする島々に分布。生息北限は熊本県天草市とされていた。だが1989年に同校生物部が郷ノ浦町渡良浦で発見し、当時の「島の科学」に発表した。その後、研究は途絶えていたが、野田さんらが2016年9月から研究を再開。壱岐島での分布密度の調査、飼育による観察・調査などを行った。

聞き込みなどによる分布域の調査では、渡良浦地区と神田地区の一部だけで生息していることが判明。7個体の飼育観察では、同校理科準備室での飼育で12~34℃の気温でも生育し続けた。特徴的な行動としては、共食いをすること、日光や電球照明から逃げるようにすばやく動くこと、昼間は砂を掘って頭部を突っ込んでじっとしていることなどが観察された。また鳥取大学に依頼した遺伝子解析では、壱岐の個体は奄美大島、天草市牛深で採集された標本と同じグループに属していることが判った。

野田さんは「住民の証言で40~50年前にはもう見かけていたとのことだった。渡良浦の港には、以前、甑島と物資の交易をしていた会社があったとのことで、その商船にくっついて流入したのではないかなどの仮説を立て、今後は交易資料など文献調査や、結婚ダンスと呼ばれる生殖活動も把握したい。今後、学生科学賞への出展も検討している」と話した。

関連記事

  1. クロマツ250本植樹 八幡小緑の少年団
  2. 伝統文化を体験 華道、茶道、着付け
  3. 壱岐地区代表牛17頭を選考。メイン7区は金太郎3産子。7月7日 …
  4. 今年も水質AA 市内の4海水浴場
  5. 黒米うどん作り体験 ごっとり市場モニター
  6. 教育誌「ちゃぐりん」を寄贈 JA壱岐市が島内全小学校に
  7. JF発着所、旧フェリー岸壁へ。地方港湾審議会が可決。
  8. 1年間の豊作を祈願 献穀田お田植え祭

おすすめ記事

  1. スペイカー来島、野良猫に手術 県動物殺処分ゼロプロジェクト
  2. 原の辻緊急調査で5基の墓 市文化財保護審議会で報告
  3. 子どもたちの未来にベストな選択を

歴史・自然

PAGE TOP