勝本町湯ノ本温泉の平山旅館(1947年創業、平山宏美代表)が1日、「日本秘湯を守る会」の会員宿に登録された。県内では雲仙市小浜町の旅館國崎に次いで2軒目、九州では15軒目の登録。
同会は日本の温泉の良さを保ち、環境保全に努める経営理念の下、交通の不便な温泉宿33軒で75年に設立。現在179軒が登録し、会員宿に期間内10回宿泊すると無料宿泊券を受け取れるサービスを実施。券の利用者は年間約1万4千人いる。
同旅館は昨年夏に推薦を受け、本部役員らが視察。「千年以上続く温泉の歴史を守っている」「センサーにより湯量のくみ上げを調節し、無駄な垂れ流しをしていない」「熱交換で発生するエネルギーで水道水を温め皿洗いなどに使用し、環境に配慮」などが評価。「離島は秘湯と同様に交通アクセスが悪い」ことも考慮されて、正会員と認められた。
若女将の平山真希子さんは「九州は秘湯の宿が少なく、しかも離島の温泉は珍しい。同会のファンに壱岐に来てもらうことで、来島者が夏の3分の1の冬場の活性化につながるのではないか」と期待を膨らませている。