社説

壱岐をインスタ映えする島に。

年末の風物詩「2017ユーキャン新語・流行語大賞」が1日に発表。30語のノミネートの中から年間大賞に選出されたのは「忖度(そんたく)」と「インスタ映え」だった。

近年の大賞は、日常会話の中ではまず使わないと思われる言葉もあったが、今回の2語は高齢者でも使える。「忖度」には皮肉めいた語意も感じられるが「目上の人の気持ちを慮(おもんばか)って行動する」という意味自体は、日本人の美しい文化の一つだ。「インスタ映え」は、写真を投稿・共有するアプリ「インスタグラム(インスタ)」に公開した写真が見栄えの良いと言う意味。流行に敏感な女子高生によるとインスタグラムと、フェイスブック、ツイッター、ブログには大きな違いがあるようだが、インターネット上に特徴的な写真、動画を掲載して注目を集めるという点はどのツールも同じだ。

魅力的な写真、映像が注目を集めるための重要なツールであることは、インターネットが普及するはるか以前から認識されていた。観光PRのパンフレットには、あらゆる技術を駆使して最高の写真を掲載し、観光客を呼び込む努力をしている。観光地にとって「インスタ映え」は当たり前の手法である。

先日、市景観審議会が開かれた。市景観条例に則り、適正な建築が行われているかどうか審議することが会の主な役割だが、さらに一歩踏み込んで「インスタ映えする壱岐島を作るための工夫」について意見を交わし、市景観条例を発展させていくことも必要ではないだろうか。本市には魅力的な景色があふれているが、写真撮影をする人の目線に立っていないために、せっかくの景色が台無しになっているケースが目に付く。美しい砂浜と青い海も、漂着物のゴミがあったり、景色を損ねる電線など建造物が写り込んでしまったら、写真の価値は半減する。

「インスタ映え百選」としてピンポイントに景観整備をすることが、交流人口拡大につながるはずだ。

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