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「条例違反は判断できず」政論審調査結果をまとめる。入札除外問題

第3回壱岐市政治倫理審査会(横山正人会長、5人)は8日、市役所郷ノ浦庁舎で開き、昨年4月の市長選挙で対立候補を応援したことなどを理由に入札から除外されたとされる、建設会社社長(67)の事情聴取を行った。同社長は「指名外しは市長選挙のみが理由だと聞いた」と語ったが、前回の事情聴取で白川博一市長、中原康壽副市長が主張した「いくつもの要因がある」との内容とは食い違いがあり「審査会としては市政治倫理条例に違反しているかどうか、現時点で客観的な判断はできない」とした。また市長の説明責任に関しては「自らしかるべき時期に説明を行うと明言しており違反には当たらない」と結論付けた。近く、市長、鵜瀬和博市議会議長に対して調査結果を報告する。

建設会社社長は事情聴取に対して、指名除外になった経緯を説明。指名除外について抗議を行った際に、市長、副市長から「選挙で対立候補を応援したことだけが、信頼関係を損ねる原因になったと説明された」と繰り返し主張した。
前回の事情聴取で市長らが「いくつもの要因がある」と供述したことに関しては「10年前に県発注の工事で労災死亡事故があったが、行政処分後は受注を行っていた。選挙以外に指名除外の理由はまったく思い当たらない」と強調した。
審査会の委員からは「選挙で対立候補を応援したことだけが指名除外の理由であれば、職権乱用で政治倫理条例に抵触する可能性もあるが、市長らは告訴中であることからほかの理由を明らかにしていない。物理的な証拠はなく、白黒をつけるのは難しい」など、検察のような調査能力を有しない審査会で条例違反を判断することの難しさを指摘する声が相次いだ。
また同社長が「白川市長との付き合いは青年団の頃から50年に及び、芦辺町長選と最初の市長選では応援した。市政に不満があり2選目は相手を応援し、3選目は徹底的に(相手陣営の応援を)やった」などと供述したことに関して「両者の長年にわたる人間関係が一連の経緯につながっているかもしれないが、すべてを理解することは難しい」との意見もあった。
条例の第2条第1項に記されている「市長等は市民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない」との説明責任に関して、委員は「刑事告訴中であり、市長が具体的に述べるのは無理がある。条例に違反しているとは言えない」と市長の姿勢に理解を示す意見で一致した。
一方で「市長が刑事告訴された大きな問題なのに、結審するまで市民に何も説明しないのでは、市民は納得できない。条例に違反していなくても市民に迷惑を掛けていること、不安感を抱かせていることは明確なのだから、市民に対して本人の言葉で、お詫びと結審後に正式に説明することを事前に述べることが必要ではないか」との意見があった。
そのため報告書では「総括」として「市長自らが説明・報告を十分果たされることを求める」との委員会意見を追記することになった。
横山会長は「結審後の調査請求であれば、有罪無罪に関わらずさらに討議できたが、現段階では難しかった。明確な結論を出せなかったのは残念だが、これを調査報告とし、速やかに報告を行う」と感想を述べた。

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