壱岐商業高校(戎野和幸校長、218人)で8日、「株式会社IKISHO」の創立総会と第1回株主総会が開かれ、定款や取締役の選任など4議案を承認。全国で7番目、県内では初の高校生株式会社が誕生した。
同校ではこれまで、企業体験プロジェクトとして3年生10人が中心となってマルシェ(出店販売)や商品開発を行うなど、地域活性化にチャレンジしてきた。
株式会社設立は「日本一の島の専門学校」を目指して、市や地元企業、NPO団体、地域社会と連携して、より持続的に活動するために計画。会社化することでマルシェなどで得た収益を次の事業に生かせるようになり、より実践的に会社経営を学ぶことができるようになった。
株は、三菱みらい育成財団からの助成金を原資に440株(1株5百円)発行し、まずは発起人の戎野校長が保有。第1回株主総会で全校生徒に2株ずつ譲渡して生徒一人一人が株主となった。生徒は卒業とともに校長に株を戻し、新一年生に再度譲渡する運び。
事業年度は1~12月で来月には第1期決算報告を予定している。
代表取締役には同校卒業生で商業科の教員として勤務した経験がある勝本町在住の坂口行擴さん(85)を4期(4年)の任期で選任したが、起業体験プロジェクトのメンバー10人が共同社長として事業の方針を決める。坂口代表取締役は「生徒の活動費に充ててほしい」との意向を示し、役員報酬は無償としている。
同社は地域活性化を目的としたイベントの企画、運営、人材派遣のほか、壱岐商業高校での学びを生かした体験型学習サービスの企画、運営などの事業を予定している。
同プロジェクトのメンバーの一人、情報処理科3年、野中奏和さんは「会社設立ができてとてもうれしく思う。来年度から2年生が中心となるが、卒業しても協力していきたい。高校生を中心に新しい風、力を壱岐に与えられたらと思う」と話した。