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壱岐の女性ランナー2人が100㌔挑戦 壱岐ウルトラマラソン

第1回壱岐ウルトラマラソン(同実行委員会主催、レオパレス21特別協賛)が2日、壱岐島一周特設コースで開催される。出場選手は100㌔が391人(男351、女40)、50㌔が242人(男181、女61)、オープン参加の招待選手2人の計635人。島内からは100㌔に26人(男24、女2)、50㌔に34人(男28、女6)。島内から100㌔に挑む女子は松山晃子さん(38=鯨伏小学校教諭、ゼッケン2022)と髙橋聡子さん(43=勝本郵便局、同2040)。ともにウルトラマラソン初挑戦だが完走を誓った。島外からも「マラソンの鬼」や「24時間走日本代表」など超人たちが来島し、大会を大いに盛り上げてくれそうだ。

壱岐を代表する女性ランナー・松山さん
松山さんは壱岐の島新春マラソンのハーフ一般女子の部で、2006~08年に3連覇を達成するなど、島内女性アスリートの第一人者。フルマラソンも6回の経験があり、自己ベストは3時間30分をマークしている。
そんな松山さんでも「100㌔はまったくの未知数。全然準備ができていないのに、本番になってしまった」と不安を口にした。授業、部活動の指導で多忙な毎日を送っており「夏休みにもっと走り込んでおきたかったけれど。週末に10~20㌔を踏むのがやっと」で100㌔走は当日が初体験となる。
それでも挑戦を決めたのは「以前からいずれは100㌔に挑戦してみたいと思っていたところに、地元でレースを開催することになった。これは準備不足だろうと、チャレンジしないわけにはいかない」という気持ちになったからだった。
練習で1㌔6分ペースを体に染み込ませているが「タイム設定はしていない。1㌔8分ペースなら制限時間の14時間に20分余るので、まずはそれを超えないように完走することが第一目標です」。
苦しい戦いに勇気を与えてくれるのが、鯨伏小を含め島内の小学生たちが手作りした100本の「残り距離数表示のぼり旗」。1㌔ごとに沿道に掲げられる。「鯨伏小や前勤務先の志原小の子どもたちも沿道で応援してくれるはずだし、1本1本ののぼり旗も大きな力になる」。松山さんは子どもたちの応援を背に100㌔完走を目指す。

100㌔でも楽しさ追求する髙橋さん
髙橋さんは長崎市から家族とともに、昨年5月に転勤してきた。中学、高校時代は陸上部に所属して中長距離ランナーとして活躍したが、その後は仕事と家庭の両立などもあり、本格的なレースからは遠ざかっていた。だが5年前、下の子どもが小学校に入学して多少の余裕ができたことから、再び走りたい気持ちが蘇ってきた。
長崎ベイサイドマラソンや名古屋ウイメンズマラソンなど各地の大会に出場。フルマラソンは3回完走し、自己ベストは4時間23分をマーク。壱岐に来てからも、今年の新春マラソンは5㌔女子40歳代で2位(24分29秒)になった。
「18歳から38歳まで20年のブランクがあり、なかなか元には戻らない。練習も不足していて、足がもつかどうか。でも不安よりも楽しみの方がはるかに大きい。せっかく壱岐での第1回大会なのだから、どうしても走りたいと思った。ダメならまた来年挑戦すればいい」と気負いなく前向きな気持ちでレースに臨む。
「1㌔7分半のペースなら、エイドステーションで休んでも何とかなるかもしれない。いろいろと美味しいものが用意されているのでしょ!? それを食べるのも楽しみ。100㌔走って、逆に太っていたりして」と笑い飛ばした。苦しさを楽しさに変えていくのが髙橋さんの大きな強みだ。

全国から猛者が壱岐に集結
蔵本康孝さん(ゼッケン1005=大阪)はマラソン世界では知らない人がいない超人。48歳になったが、いまでも毎週のように全国各地のフルマラソン、ウルトラマラソンに出場する「マラソンの鬼」で、フルマラソンで3時間を切る「サブスリー」を250回以上も達成している。
ウルトラマラソンは100回近く経験があり、今年上半期だけでも宮古島(1月・沖縄)4位(8時間31分05秒)、NAGOURA(3月・沖縄)1位(8時間22分40秒、奥熊野いだ天(4月・和歌山)4位(8時間18分30秒)、えびす・だいこく(5月・島根)1位(7時間52分41秒)、隠岐の島(6月・島根)4位(8時間12分32秒)と5回も総合ベスト10入りを果たしている。
楢木十士郎さん(1005=福岡)は24時間走のトップランナー。24時間でどれだけの距離を走れるか競う種目で、楢木さんは2013~15年に日本代表として世界選手権に出場(16年は開催なし)。昨年12月の神宮外苑チャレンジでは241㌔を走って2位。14年は258㌔を走破し優勝している。超人2人の一騎打ちから目が離せない。
女子にも超人がいる。松本ゆりさん(2002=神奈川)は今年上半期、宮古島(1月・沖縄)2位(9時間16分41秒)、東京・柴又(6月)5位(9時間56分38秒)、隠岐の島(6月・島根)7位(11時間02分51秒)とベスト10入り。昨年は能登半島すず(10月・石川)で優勝(9時間47分32秒)、隠岐の島(4位)、東京・柴又(5位)、白山・白川郷(7位)で入賞を果たしている。
松田英子さん(2001=兵庫)は2009~12年の隠岐の島ウルトラマラソンを4連覇した名ランナー。8時間27分59秒のタイムがあり、この3年間こそ上位入賞はないが、調子を取り戻していれば優勝争いを繰り広げそうだ。
オープン参加となる女子招待選手の望月千幸さん(1)は世界選手権2位、自己ベスト7時間36分39秒の記録を持つ。8月のゴビ砂漠250㌔マラソンへ挑戦した直後で疲れはあるだろうが、超人女子3人のデッドヒートは楽しみだ。

市ケーブルテレビ13時間生中継
【壱岐ウルトラマラソン】100㌔は壱岐の島ホール発着で午前5時半スタート、右回りで島内を1周する。制限時間14時間。50㌔は壱岐島開発総合センター午前10時半スタート、右回りで壱岐の島ホール着の島内半周。制限時間7時間。途中に100㌔は7か所、50㌔は3か所の関門があり、それぞれに制限時間が設けられ、時間内に関門を通過しないとリタイアになる。レースの模様は午前5時から午後6時ごろまで、市ケーブルテレビで生中継する。

 

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