第15回壱岐ロータリークラブ小学生駅伝大会が1日、筒城浜ふれあい広場周回コース(6区間、5・7㌔)で開催され、市内18校から各1~2チームの計30チームが出場。鯨伏Aチームが3年ぶり2度目の優勝を果たした。
優勝争いは壮絶な戦いとなった。1区から鯨伏Aと盈科Aの一騎打ち。1区で盈科A・末永結愛が5秒差をつけてトップでタスキを渡し、2区の日髙堪斗も1秒差で首位を守ったが、3区は鯨伏A・福田真美が1秒差で逆転。4区鯨伏A・橋川友人が2分46秒の区間新でリードを3秒に広げる。だが5区盈科A・山口莉子が区間賞で差を詰めて、アンカーには2秒差でタスキが渡された。
懸命に逃げる鯨伏A・中尾圭介を、盈科A・三浦万治朗が猛烈に追い上げる。周回コースのバックストレッチで並び掛け、コーナーで一度は三浦が先頭に立ったが、中尾も食い下がり一歩も引かない。2人並んだままのつばぜり合いが、ゴールポストへ向かう最後の直線まで続き、3千人の大観衆から地響きのような歓声が上がった。
残り200㍍。中尾のラストスパートに三浦の顔がゆがみ、その差が1㍍、2㍍と広がったところにゴールテープがあった。鯨伏A18分11秒、盈科A18分12秒。わずか1秒差、ともに大会記録(12年田河Aの18分28秒)を大幅に更新する新記録を樹立する見事な戦いだった。
ゴールテープを切った中尾圭介(6年)は「三浦君がすごく速かった。途中で抜かれて、ダメかと思いそうになったけれど、春から練習してきたことを信じて、強い気持ちで走りました」と喜びよりも安堵感を強く表していた。
4区で今大会唯一の区間新記録を樹立した橋川友人(6年)は、開会式で選手宣誓を務めた高揚感からか「いつもよりも体が軽くスイスイと動いて、区間新の手応えを感じていました。チームのために1秒でも多く貯金しようという気持ちが、記録にもつながったのだと思います」とタスキの重さを強調した。
出口徹監督は「昨年も5区までは首位だったのに、最後に抜かれてしまいました。今年は、昨年4区で区間新をマークしたエースの中尾をアンカーに持ってきたので、前半で粘れれば後半は逃げ切れるという手応えを持っていました。盈科さんと競り合ったことで、この素晴らしいタイムが出たのだと思います」と会心のレースを振り返った。
敗れたとはいえ盈科Aも立派なレースぶり。ゴール後は涙が止まらなかった6区の三浦も、この区間は3分13秒で区間賞を獲得。3人が区間賞を記録する、胸を張ることができる準優勝だった。
【区間賞】▽1区 末永結愛(盈科A)3分22秒▽2区 西村真聖(田河A)2分44秒▽3区 長嶋愛莉(田河A)2分56秒▽4区 橋川友人(鯨伏A)2分46秒=区間新=▽5区 山口莉子(盈科A)3分01秒▽6区 三浦万治朗(盈科A)3分13秒
【躍進賞】箱崎A