市議会定例会12月会議の一般質問が10、11日の2日間行われ、計12議員が登壇した。このうち4人の質問が集中したのが新市庁舎建設問題。現在、白川博一市長の諮問機関である市庁舎建設検討委員会(菊森淳文会長)で検討が続けられており、来年3月末までに答申が出されるスケジュールとなっているが、市民の関心の高さから各議員のもとに問い合わせが相次いでおり、その進捗状況、市としての基本姿勢、今後の展望などについて、各議員が市長に質問を繰り返した。
質問したのは田原輝男、中田恭一、呼子好、豊坂敏文の4議員。田原議員は「これまで7回の委員会が開催され、会議後にその内容について記者説明が行われているが、市長には中間報告があったのか」「建設は本当に必要なのか」「建設場所が現在の本庁舎から離れるよりも、諸官庁が集まっていることの方が住民サービスになるのではないか」などと問い質した。
白川市長は「委員会には白紙の状態で一任しており、中間報告は受けていないが、記者発表の様子はケーブルテレビで放映されている」「私は、分庁方式のロスを考えると建設した方がいいのではないかと考えているが、委員会は決して“建設ありき”ではなく、建設の是非も含めあらゆる角度から検討を行ってもらっている」「諸官庁が一括であることは便利だが、それよりも重い問題があるかもしれない」と答えた。
また「答申を受けた後の方向性はどのように考えているのか」との質問には「答申は大きな意見であり、尊重することは間違いないが、決定するわけではない。この問題は決して失敗できない、後戻りができないことであり、百年の計として取り組んでいる。答申を叩き台として市民に広く意見を募り、市議会で議論して頂き、十分に時間をかけたい」と今後の方向性を示した。
中田議員は「委員会の討議内容について、議員も新聞報道で初めて知るのはおかしい。市民からしかられている」と訴え、市長は「記者発表の内容はお伝えするようにする」と回答した。
呼子議員は「建設候補地として7か所が挙がっているが、この7か所が最終候補地なのか。新たに候補地が出ることがあるのか」「候補地決定にあたって、UPZ30㌔を考えているのか」と質問し、市長は「答申に7か所が記されるということではないと考えている。新たな候補地はあるかもしれないが、考えづらい」とした。UPZ30㌔については直接的な回答は控え「委員会に投げ掛けていることとは別として、危機管理は行政の最大の使命である」と市としての基本姿勢を示した。
決定時期については「建設をする場合は合併特例債を活用するため、平成31年3月末までに完成していなければならない。そこから逆算すると設計1年、建設工事2年と考えて、27年度末までには場所等を決定しなければならない。建設するかどうかは早めに決めたい」と話した。
また呼子議員は「県振興局、保健所一帯を活用できないか」、豊坂議員は「新庁舎を建設せずに県振興局建物の活用」を提案したが、市長は「委員会に白紙で委ねていることで、回答する立場にない」と答えるに留めた。
第8回壱岐市庁舎建設検討委員会は20日に開催される。菊森会長は「これまでの検討結果を集約し、最終提言書の取りまとめに取り掛かりたい」としており、これまでの会議で意見集約されている「新庁舎建設は行うべきである」「合併特例債を活用して建設する」「総務省の基準から算出して庁舎の延べ床面積は1万平方㍍程度、別に同程度の駐車場が必要」「基本構造は鉄筋コンクリート造り」「原子力、津波、風水害などに対応する防災拠点施設となり得ること」「財政面から新たな用地取得はできる限り行わない」などの要件に沿った答申をまとめる作業に入る。