勝本町の壱岐イルカパークで5月30日に誕生した赤ちゃんイルカ「ミラク」(メス)が11月26日午後4時ごろに死亡した。5日、市観光商工課が発表した。
ミラクは11月24日までは母エイラ(推定12歳)と一緒に元気に泳いでいたが、同25日はスタッフが泳ぎ方にやや不自然さを感じていた。26日は急激に元気がなくなり、苦しそうに呼吸をしていたため、3人のスタッフが体を支えて楽にしようとしたが、その最中に呼吸が停止。死亡が確認された。
その後、壱岐家畜保健衛生所に運ばれて解剖が行われたが、詳しい死因はまだ判っていない。
ミラクは、今年3月25日に和歌山県から導入された3頭のうちの1頭エイラが捕獲前に妊娠しており、同パーク内で出産した。妊娠中の20時間に及ぶトラックでの長距離輸送を克服して無事に出産したケースは極めて珍しいため、“奇跡”から「ミラク」と名付けられた。
母エイラ、母と一緒に同パークにやってきたラシカ(推定10歳)と一緒の生け簀で、ともに泳いだり、ジャンプのまねごとをしたり、母親の上に乗ってじゃれたりと無邪気に過ごす様子は、訪れた観光客にも大人気で、同パークのアイドル的な存在となっていた。
まだ離乳前だったが、魚にも興味を示すようになってきて、生まれた時には1㍍弱だった体長が1・5㍍、体重は100㌔を超えた。同パークで初めて赤ちゃんイルカが順調に育ち、管理には細心の注意を払いここまで無事に成長していただけに、スタッフのショックも大きい。