高校生が空き家を活用した自習と交流の拠点となる場所づくりに取り組んでいる。
活動しているのは壱岐商業、壱岐両高校各4人、ルネサンス豊田高校1人のいずれも2年生の9人。そのうち郷ノ浦中出身の8人は、中学3年生の時から放課後や休日の学習スペースがないことを課題と捉え、解決策を話し合っていた。
違う高校へ進学したが、共通の課題意識は持ち続け、現在は芦辺中出身の一人を加えて、「総合的な探究の時間」に学校の枠を越えて取り組んでいる。
8月26日、一支国博物館で開かれた壱岐ロータリークラブの例会に、齋藤悠斗さん(壱岐商業)らメンバー3人が登壇して会員に活動を説明。理解を求めた上で、畳や座布団、照明器具など不要になった物の寄贈を呼び掛けた。
齋藤さんらは「現在、放課後に集まって勉強できる場所は図書館しかありません。図書館は閉まるのが早く、飲食も会話もできません。気軽に学び合える当たり前の放課後を僕たちの手で作りたいと本気で考えました」と述べた。
9月から寄贈品の搬入など始め、11月にワークスペースの完成、来年4月にオープンする道筋も示した。利用者の対象やルール、管理費の捻出、運営方法は今後検討し、卒業する2027年4月以降は両高校の新一年生に引き継ぎ運営する予定という。
活用予定の空き家は郷ノ浦町片原触の木造二階建てで、所有者の松本隆之さん(50)が、高校生の活動をサポートする一般社団法人サステイナブル教育開発機構エデュコア代表の入江潤さん(52)を通じて活用を申し出た。
松本さんは「民泊など空き家の活用を考えていたが、これまで壱岐に無いことや社会課題の解決につながることに使う方がいいと考えた。年代関係なく、色々な人にとって居心地が良く、新たな前を向いていける場所、生きる力を育める場所になればと思う」と期待を込めた。
求めている物品は次の通りで、問い合わせなどは、Eメール・ikiakiya777@gmail.comへ。
▽畳(16畳)▽エアコン▽照明器具▽机用の長い天板▽ペンキ▽座布団▽本棚▽ホワイトボード