重家酒造(横山雄三社長)が醸造した純米大吟醸の日本酒「横山五十」が、イタリア・ミラノで開催中のミラノ万博に連動して実施された日本酒プロジェクト「SAKENOMY」に選出され、6月19日から24日まで、現地で提供された。
同プロジェクトは元サッカー選手の中田英寿さんが日本の酒文化を世界に広めるために企画。日本を代表する32蔵33銘柄(日本酒26、焼酎5、ワイン1、リキュール1)を選出して、ミラノの人気カフェ「スイスコーナー」で店舗展開。また三ツ星レストランや人気バーで世界中の食材とコラボレートさせた。
選ばれた日本酒は「十四代」(山形)、「磯自慢」、「天狗舞」(石川)、「獺祭(だっさい)」(山口)など日本を代表する銘酒ばかり。その中で醸造3年目の重家酒造の「横山五十」が大抜擢された。
18日から27日まで現地を訪れた横山太三専務は「ミラノでも日本酒を出している店はあるが、酒の質も保存状態も悪いので、日本酒の評判を悪くしていた。今回は日本の銘酒を、低温コンテナで輸送し、店でも冷蔵庫で保管しているので、現地の人もみんなビックリしていた」と十分な手応えを感じた。
同じく中田さんの企画「ナカタドットカフェ」で、昨年6月はブラジル・ワールドカップで壱岐焼酎「ちんぐ」を提供して人気を博した。今回も焼酎で勝負をしたい気持ちもあったが、「ブラジルでは焼酎カクテルが人気だったが、ヨーロッパはワイン文化で蒸留酒になじみが薄い。ワインに似た果実系の香りがする純米大吟醸酒をワイングラスで提供する方が良いと判断した。『壱岐』を世界に発信することが最大の目的でした」(横山専務)。
現地では商談も行い、フォーシーズンズホテルのメインダイニングなど、イタリアンレストラン6店舗、日本食レストラン24店舗に「横山五十」を卸すことが決まった。
「鳥肌が立つようなすごい銘酒の中に入って、認めてもらえた。めちゃくちゃ自信になった。他の酒がリンゴ香なのに対し、横山五十は大吟醸では珍しいマスカット香だったことも興味を持ってもらえた一因。今後も壱岐の日本酒と焼酎を、世界中に広め、多くの人に壱岐に来てもらえるようにするのが夢です」と横山専務は語った。