社説

高校生が出席しない10周年式典

syasetsu春を迎えて、市内では各種イベントが毎週末に行われている。旧町の名残もあって、壱岐はじつにイベントの多い島だ。このイベントを観光客誘致に効率的に結び付けようと、平成24年度は県の「こぎ出せミーティング」で、市観光連盟が統括窓口となって島外に情報発信を行っていくことを決めたが、いまだに実行に移されていない。
市観光連盟ホームページの「お知らせ」は、昨年1年間で更新が14回、今年はわずか2回だけ。フェイスブックページは今年になって30回の投稿が行われているが、紹介されているイベントの大半は連盟主催、後援のものであり、その他の多くのイベントには触れられていない。情報集約、発信には、まだまだ時間が掛かりそうだ。
イベントの重複は、参加を楽しみにしている市民にとって残念なことが多い。3月1日午前10時から壱岐市市制10周年記念式典が開催されたが、同時間帯に壱岐高校、壱岐商業高校の卒業式が行われた。
卒業生の大半は、式後に島を出て行く。生まれ故郷の壱岐を愛し、できることならずっと壱岐に残り続けたいと思っている若者が、進学、就職のために仕方がなく島を離れていくのは残念なことだが、いずれは戻って来ることを願って送り出すのがこの卒業式。だがその場に白川市長をはじめ市のトップ、壱岐を先導していく立場の人たちが出席できなかった。代読ではなく、生の声で、高校生たちを送り出して欲しかった。
当然、10周年式典には、高校3年生は出席していない。壱岐市がこの10年間どのような発達を遂げてきたのか、現状の問題点は何なのか、これから島を離れて新たな生活のスタートを切る彼らにこそ、この式典に出席してもらいたかった。高校生だけでなく、会場には小中学生の姿も見られず、ロビーに各小学校児童が作成したポスターが掲げられただけ。これからの壱岐を担っていく人たちにこそ、この式典は重要なものだったはずだ。
同日に式典を行った対馬市との兼ね合い、来賓のスケジュールなどで調整が難しかったことは理解するが、対馬の後、夜の開催でも良かったのではないだろうか。来賓中心ではなく、市民中心のイベント開催を考えて欲しかった。

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