11~13日の3日間に渡って行われた市議会12月会議一般質問は、合併以来最多の13人が登壇した。議員と市長ら執行部との丁々発止のやり取りは市政の問題点を探る重要な機会で「一般質問だけはテレビ中継を見ている」という市民も多い。
市議会は会派制度を取っておらず、議長を除く15議員中13人が登壇するのはさすがに多く、質問内容が重複する場面もあったが、質問しないことは「市政に対して疑問がない」とも受け取られかねず、議員の積極的な姿勢は評価ができる。だが一部議員の質問は、執行部に対して市条例や制度の説明を求めることだけに大半の時間が割かれていた。また現在は実施されていない制度についての質問などもあった。これらの説明を質問者が事前に理解した上で、本題への伏線となるケースもあるのだろうが、単に知らないで聞いているように思える部分も多かった。
制度の利用実績などについても、事前に担当課を訪れて自ら調べた上で、一般質問でその実績について議論しなければ、問題点を探求するのは難しい。「市民の目線で質問する」姿勢は悪いことではないが、議員が一般市民と同様の知識で質問していたら執行部になめられる。現在の制度について十分に研究した上で、その制度の欠陥や不足点を指摘し、さらに代替案まで提示して制度を改正・新設させることこそ、議員の仕事であるはずだ。
自らの意見を長時間にわたって演説する議員もいるが、どんなに素晴らしい考えがあっても、実現できなければ市民の役に立たない。要望も単に「作ってくれ」と要求するだけでは、決められた予算の中で実現は難しい。議員自らが財源や、実現した際の効果の予測数値を示した上で要望しなければ、執行部から前向きな回答は得られない。議員に1回生も2回生も関係ない。政治のプロなのだから、条例・制度について執行部以上に勉強して知識を蓄えた上で、企画立案型の質問を今後は期待したい。