社説

二度と疑惑を持たれぬように。

10月初旬から市民をざわつかせていた建設工事の入札に関わる不正疑惑について、長崎県警の捜査は大規模な逮捕者などが出ることなく、終息に向かう見込みだ。壱岐署4階に設置されていた捜査本部は撤収され、県警本部の署員も姿を見せなくなってきた。最大課題である人口減少対策のため、観光・移住に力を入れようと本市の良いイメージづくりを積極的に進めている最中に、全国ニュースで報じられかねない大きな事件報道が出てしまえば、イメージ失墜は避けられないところだっただけに、最悪の事態を免れたことは、まずは良かった。

だが、一部の建設会社や市職員が、県警から疑いを持たれたということは、それだけの理由があったということでもある。市議会定例会12月会議(4日開会予定)で市は、不正などは一切なかったということをきっちりと主張し、不審を抱いた市民へ丁寧に事の次第を説明しなければならない。同時に、二度と疑いを抱かれないような入札制度の改革を示す必要もある。

長崎県では、2014年に南島原市発注の指名競争入札における官製談合防止法違反などの疑いで、当時の南島原市長と副市長らが逮捕された。また昨年末には波佐見町でも同違反で、町建設課係長が逮捕された。波佐見町では今年6月、官製談合再発防止対策を策定し、事件の詳細な報告書、見直した倫理規定、コンプライアンスガイドラインをホームページで公表。すべての工事の指名競争入札において開札時に予定価格と最低制限価格を一定範囲で無作為に変動させるランダム化を導入、設計積算システムに個人パスワードを設定するセキュリティ強化などを実施した。

本市は小さな離島という環境から、地縁、血縁、同級・同窓生などの関係が濃密で、公私を完全に遮断することが難しい環境にある。だからこそ、競争入札などにはより一層の清廉さが求められている。二度とこのような疑惑が生じない制度設計が求められる。

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