夏に朝鮮半島や中国で繁殖し、南アジアで越冬する渡り鳥、アカハラダカの南下する姿が、今年も岳の辻山頂から確認された。調査している壱岐自然塾の永村春義代表(54)は岳の辻山頂で双眼鏡を使って数を数え、9月中の19日間で636羽を観察した。
いずれも対馬市を経由してきた群れと見られ、9月18日には最も多い230羽が見られた。ただ、年によっては一日で千羽を超える群れが見られることもあり、今年は全体的に少なく、百羽を超える群れを観察できたのも18日のみだった。
永村代表は「例年、南東方向への飛翔が多いが、今年は南方向への飛翔が多く観察された。予想にすぎないが、東の風に向かって飛ぶよりも南下することで海上を飛ぶリスクを避けたのではないかと考える。対馬と壱岐での観察数に大きく差があり、主に壱岐の西海上を渡っているという見方もある。来年以降の調査方法も一考する必要もありそう」としている。
また、「大空を飛んでくるアカハラダカをいち早く見つけるにはある程度の経験も必要となるが、何より多くの人の目で観察することが大切。興味のある方はぜひ、ご参加を」と呼びかけている。
調査ではアカハラダカのほかにも、同じタカ類のハチクマなども観察された。