県神社庁壱岐支部(馬場忠裕支部長)は8月17日、石田町の池田八幡神社(宮司・村田徹郎)の氏子である同町池田東触の山口正さん(67)の斎田(同町池田仲触、約8・8㌃)で、刈り取りの神事・献穀田抜穂祭を開いた。
4月20日のお田植祭で早乙女らにより植え付けられたコシヒカリの早苗は、過去に例のない猛暑と雨不足に遭いながらも、奉耕者の山口さんや田長、耕作長らが丹精込めて育て上げ、無事に収穫の日を迎えた。
抜穂祭は神主が斎田清祓の儀を行い、豊年舞を奉奏。菅笠、茜たすきに身を包んだ石田小児童らによる刈男、刈女が穂を刈り、稲穂の献納を行った。神事後には餅まきで収穫に感謝し、関係者による直来で体を清めた。
山口さんは「暑さの厳しい夏で水の管理を入念に行った。幸い、台風や豪雨による被害がなく、順調に生育したことを嬉しく思う。満足できる出来となった。自然の恵みに改めて感謝したい。稲作を通じて伝統文化が継承されていくことを祈念したい」と話した。
収穫された米は伊勢神宮、明治神宮、靖国神社、長崎市内の3社、壱岐市内の42社に奉納される。