石田町の無人島・妻ヶ島の衣通姫(そとおりひめ)神社で13日、2年に1度の例大祭が開かれ、氏子ら約30人が集まり、壱岐神楽が奉納された。
妻ヶ島は2002年に最後の住民2人が本土に移住して以降、無人島となっているが、同神社の氏子らが中心なって管理を続けている。今回の例大祭に合わせて、元島民らの悲願であった老朽化した鳥居を新築、妻ヶ島と衣通姫神社の由来を紹介する看板を設置、神殿を飾る戸帳などの神具も新調した。
看板には「妻ヶ島」に関しては「京の都の姫君が姉の夫と不義をして姉の勘気を蒙りて鳥も通わぬ玄海の島のまた島のこの島に流されきたりて住みたまい」などと説明。衣通姫神社に関しては「衣通姫は第十九代允恭天皇の后か皇女。美貌で知られており、その美しさが衣を通して輝くことからこの名の由来となっている」などと命名の由来などについて記されている。
妻ヶ島では2年前から東京の旅行会社、株式会社ジョブライブ(梶海斗代表)が無人島活用事業に取り組んでおり、氏子、地主、地元漁師らと協力して「無人島キャンプ」を実施。子どもたちや学生の無人島体験旅行、テレビ番組やYouTubeの撮影などで、今年は10月末までに358人が来島し、無人島に活気を呼び込んでいる。
鳥居新築などにはジョブライブが寄附を行ったことから、同祭で梶代表に感謝状が贈られた。