7月末にウクライナ・ハルキウから大分県別府市に避難しているヴィクトリア・モイセーヴェッツさん(38)とその娘、ミラーナさん(17)が5日、勝本町かざはやで現在の心境など語った。別府市でウクライナからの避難を支援している小野一馬さん、ヤーナさん夫妻=元石田町在住=や「子どもエキスポ㏌壱岐」(入江潤実行委員長)などが、平和について考えてもらおうと企画。市民ら約15人が聴講した。小野さん夫妻は5日現在、34人の受け入れに携わっている。
ヴィクトリアさんは「温かい受け入れに感謝します。ウクライナでの正月の思い出があり、ものすごく時間が早かったし、日本で正月を迎えるのは不思議な感じがします。日本に慣れるのは難しかったけど、娘は(慣れるのが)早かった。日本に来て本当に嬉しいです」と話した。
一馬さんはウクライナや受け入れ支援の状況を話し「報道が減ってきているが、今も戦闘は続いていて人々が苦しんでいると頭の片隅に置いて頂きたい。ウクライナに関心を持ち続けることが継続的にできる支援だと思う」と呼びかけた。
ヤーナさんは「親戚もいたし友だちもいたし、何かできないか毎日悩んでいる。戦争は恐ろしい。将来はどうなるかわからないけど、続けて頑張るしかない。日本には本当に感謝します」と話した。
また、「どうすれば戦争はなくなるか」という問題を皆で考え、ヤーナさんは「命や自然の大事さが教えられていないような気がする。子どもたちは桜と梅の違いはあまりわからないが、スポーツブランドの違いはすぐわかる。自然に興味がなかったら人に興味がない、深い話ですけど、そこからじゃないかなと思う」と話した。
ウクライナの現状に涙を浮かべる参加者もいた。ヴィクトリアさんは「戦争がはじまり泣いたことはなかった。ショックにも恐怖にも慣れ、自分でも驚いた。(涙を流すのは)正しい反応だと思う。向こう(ウクライナ)にいた時は精神的にブロックしていた」と心境を述べた。