特定外来生物の水草「オオフサモ」の除去作業が10月30日、石田町池田仲触の池田川であった。
地元の市消防団石田地区第5分団の団員6人が防災の観点から初めて実施。市の担当者6人も視察を兼ねて参加し、川一面に繁茂したオオフサモを手作業で取り除いた。
この日は、幅約3㍍の河川のうち、45㍍の区間で作業を行い、オオフサモの実態や除去に必要な労力を確認。直径1㌢ほどの茎の束を1時間ほどかけて2㌧トラック3台分を取り除いた。
茎どうしが絡み合い、根が底面に張り付いているため、畳一枚ほどを運ぶのに5~6人で抱える必要があった。
辻田進一分団長(45)は「水分を含んでいて重たかった。普段近くを通るが、どういったものかわからなかった。関係あるかわからないが、最近ホタルが少なかったように思う。今後は意識しながら見ていきたい」と話した。
オオフサモは南米原産のアリノトウグサ科の多年草。耐寒性があり日本では冬でも枯れずに越冬する。全国では水路の流れを妨げたり、在来種を脅かすなどして問題となっている。本市では、池田川周辺のみ生息していると見られる。根茎から再生するため、除去する際には断片も残さず取り除く必要がある。
2020年7月の大雨の際、内海湾に大量に流れ出し、船の航行に支障が出る恐れがあったことから、地域住民が回収作業に追われた。岸に集められた量は4㌧トラック10台分に上った。その後、治水上の観点から一部の河川で浚渫工事が行われ、土砂とともに除去されていたが、再度少しずつ増えている。 市はこれまで、関係課による庁内の連絡会議を開き、対策を練り始めている。除去に参加した谷口実市農林水産部長は「今後、水利組合や市民に呼びかけ生息域など実態を調査していく。拡大させないため、持ち帰らないことなど市民に周知していく」とした。