中小企業庁はこのほど、ITサービス導入、経営資源の有効活用などによる生産性向上、積極的な海外展開など様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者を2019年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定。長崎県から4社が選ばれ、本市からは重家酒造(石田町、横山雄三社長)が選定された。
「需要獲得」「ものづくり」の分野で評価された同社は、壱岐焼酎だけでなく日本酒も島内での製造を行うため新工場を建設。先端技術などを導入し、高度な醸造技術を確立。18年10月から本格稼働させた。瓶詰、火入れ(殺菌)などの工程を全自動化することで、搾った日本酒が外気温に触れる前に素早く充填するため、フレッシュな味質を維持した高品質な日本酒を製造している。
15年からはイタリア・ミラノ万博出展など海外販路開拓にも積極的に取り組み、現在はイタリア、韓国、イギリス、中国などへ輸出している。また、地域資源の活用や地域への波及効果も視野に、地域の農家に酒造好適米の栽培を依頼し、専売契約を結んでいる。工場排水も大規模浄化槽の設備投資を行い、地域環境や近隣農家に配慮している。