郷ノ浦港のジェットフォイル用浮桟橋が1日、供用開始された。博多発午前9時10分着の便が郷ノ浦港に到着すると、これまで着岸してきた西側の岸壁をゆっくり通過し、さらに約150㍍上流側の浮き桟橋に着岸。乗客が1階から次々と下船した。郷ノ浦港でジェットフォイルが浮桟橋に着岸するのは平成3年の就航以降初めて。
郷ノ浦港ではこれまで、フェリーとジェットフォイルが同じ岸壁に着岸していた。ジェットフォイルは、潮位によって乗降口が1階か2階かに変わるため、車いすの利用者や患者搬送の際、場合によっては船内の階段を移動する必要があった。
また、最大で2㍍以上の潮位差の影響を受け、大潮の満潮時にはタラップの傾斜が大きくなり、車いすの利用者や脚が不自由な人の乗降に危険が伴っていた。
九州郵船壱岐支店の谷口実支店長(61)は「毎回1階からの乗下船ができ、スムーズな乗り降りが可能となった。満席の場合はやむを得ない場合もあるが、足が不自由な方などの1、2階の移動が不要となったのは大きな利点で、(浮桟橋整備は)ありがたい」と歓迎した。
着岸場所の移転は、県が国の補助を受け、浮桟橋などを約14億円かけて整備した。
市は駐車場の再編にも着手しており、本年度予算に航走車両駐車場(約650平方㍍)の整備費1800万円を盛り込んでいる。ターミナル正面の駐車場も2車線の周回道路を1車線に変更したり植栽を整理するなど、駐車台数の増設に向けて検討している。
また、昨年4月からジェットフォイルの発着所が移転した芦辺港では、本年度予算にターミナル正面の駐車場(3500平方㍍)と駐車場を巡る道路のロータリー化の整備費7500万円を計上しており、本年度内の整備完了を目指し、次年度以降は北側駐車場など整備していく予定としている。