長期的視点で生態系の変化を観察する「モニタリングサイト1000」のサンゴ礁調査が25日、本市海域で行われた。
国内の生態系の変化を観察し、生物多様性保全施策に活用することを目的に環境省生物多様性センターが毎年実施しており、高山帯や森林、沿岸域など約千地点で生態系を調査している。
壱岐・対馬海域のサンゴ礁は世界最北限に位置し、壱岐海域には球体状の塊を形成するキクメイシ属を中心に約30種類のサンゴが確認されている。本市では2004年からサンゴ礁の同調査が行われており、黒崎半島の一部と半城湾内の板浦と神瀬の3か所で調査区が設定されている。新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、一昨年から中止され、今年は3年ぶり。
調査には環境省から事業を受託した一般財団法人自然環境研究センターの北野裕子研究員(38)ら2人が来島。各調査地点で海に入り、キクメイシやエダミドリイシなどのサンゴの量(被度)や白化の状況を観察した。
北野研究員らによると、一部白化が見られたが、台風の影響による大きな破壊もなかったという。また、小さいサンゴが点々と見られ、新たな個体の生息も確認された。また、調査に併せて一部海域では海底に沈んだゴミも回収した。
詳細な調査結果は年度内にまとめられ、その後公表される予定。