県埋蔵文化財センターは17日、本年度発掘調査現地説明会を原の辻遺跡北側に隣接する閨繰(みやくり)遺跡の調査現場で開き、市民15人が参加した。
同センターは昨年度から、過去の調査で弥生時代の墓域があったことが分かっている原の辻遺跡北側周辺を調査。昨年度は弥生時代より1万年以上前の旧石器時代から平安・鎌倉時代までの遺物が出土していた。本年度も昨年に続き、南北に2つの調査区を設け、11月から調査してきた。
説明会では、調査した白石渓冴主任文化財保護主事(以下、白石主事)が説明。北側の調査区では、二つの甕の口を合わせた小児用とみられる弥生時代の「甕棺」や平安時代に中国から持ち込まれたとみられる「白磁」、また、中世の柱の穴の跡が見つかっており、複数の時代にわたって生活が営まれた可能性があることを説明した。
今回の説明会では、参加者は発掘現場に降り、遺物や遺構を間近に見ながら説明を受け、白石主事が実際の発掘調査の仕方を再現して見せるなどして、参加者は写真を撮るなどして楽しんでいた。
白石主事は今回の調査について、「子ども用の甕棺を見つけることができた。これが原の辻遺跡の全体の中でどういう位置づけになるのか、これから検討していくことができる史料になる。遺物の濃淡、広がり、どのように溜まっているか、いろいろな情報を総合的に考え、検討を進めたい」とした。