10日に投開票された参院選、県議補選でともに初当選した山本啓介さん(47=自民)、鵜瀬和博さん(53=自民)の当選証書付与式が13日、県庁特別応接室で開かれた。2人は葺本昭晴県選管委員長から当選証書を付与され、大石賢吾知事から「当選証書を付与され改めて県民、市民の期待の大きさを感じられていることだと思う。長崎県は少子高齢化、人口減少が他県よりも早いスピードで進行するなど課題が山積されている。地域の声を国政に反映し、本県の発展にさらなる支援をお願いしたい」と祝辞を受けた。
「ハード面の整備を」 山本啓介さん
山本さんは付与式後に多くのテレビカメラ、記者に囲まれて取材に応じた。当選証書を付与された感想は「1つ1つのセレモニーを重ねていくごとに、緊張感が増している。18日間の選挙期間も大変だったが、幹事長としての県連運営で公示前がより大変だった。そのため選挙へ向けての組織体制づくりに時間が掛かり、知名度も低いため遊説に回ると『おまえ、誰だ』という受け止めも多く、当初は苦労した。だが多くの支援者らの応援で、選挙戦後半には手応えを感じられるようになった。参議院は解散がないので、6年間じっくりと腰を据えて、政策に取り組んでいきたい。選挙期間中に訴えてきたことに実直に取り組んでいく」と意気込みを語った。
開票直後、全国で2番目のスピードで「当確」がついた点に関しては「各報道機関から情勢が発表されていたし手応えは感じていたので、驚いたということはなかったが、ホッとしたというのが正直な気持ちだ。後援会長の金子原二郎先生が『圧倒的な支援を』とはっぱをかけて下さり、それに向けて周囲の人たちが必死に取り組んで下さった結果だと思っている」。壱岐から県選挙区選出国会議員が80年ぶりだったことに関しては「いまを生きている人間なので過去のことを気にすることはないが、そのように表現されるのは光栄なこと。後々に話題として取り上げられた時に、恥ずかしくないような実績を残していかなければならない」と気を引き締めた。
今後特に重視する政策については「地方の人口減少対策にすべてが集約されるのかもしれないが、産業基盤の整備、流通のための道路、高規格道路、航路、航空路、情報通信などハード面の整備を尽くすことにより、人がその地域に、自らが望む場所にとどまりながら自らの将来や自分の思うことができる環境づくりは可能だと感じている。ただちに仕事、役目、責任を果たしたいという思いが強くて、すでにそういう雰囲気になっている。『何か言ってきて下さい』ではなくて、常に現場が見える場所にいるように心掛けたい」と地元に軸足を置いて活動していくことを誓った。
「スピード性が重要」 鵜瀬和博さん
鵜瀬さんは当選証書を付与され「改めて『がんばらんば』という思いが湧き出てきた。山本さんとはともに自民党議員として、これまでも市議、県議として密に連携しながら県政、市政運営を行ってきたが、今後は県議、国会議員として1段階上のレベルでの連携が可能になる。協力しあいながら離島と本土の格差を少しでも縮めたい」と話した。
今後の政策については「まずは壱岐の現状をしっかりと県に伝えていくことが最初の役割だが、その上で、コロナ禍によりさらに厳しくなっている壱岐の1次産業、市民生活を復興に導くことが急務。各種制度の整備も必要だが、地域間競争が激化する中、行動力や情報発信力のスピード性が要求されている。外貨を稼ぐには交流人口拡大が重要。以前にハウステンボスで広報の仕事をしていた経験、人脈も生かしたい。IRが稼働するようになったら海外富裕層を壱岐にも呼び寄せるための準備を始めておく必要があるし、ジェットフォイルの更新も必須。スポーツによる交流人口拡大には設備も必要だし、企業誘致にも積極的に動く必要がある。関係機関に足繁く通い、実現に導きたい」と意欲を語った。