市教委の本年度遺跡発掘調査で、郷ノ浦町田中触の車出遺跡群田ノ上地区から約1万点の弥生時代の土器片が出土していたことがわかった。そのほとんどはベンガラ(鉄のさびなど)によって赤く着色されたもので、祭祀用に特別に使われていたものと見られている。市教委は本年度中に発掘調査報告書をまとめる。
同地区は車出遺跡群を構成する5地区の1つで、8月から調査が行われてきた。
大量の土器片は地表面から約1・5㍍下から集中して出土。サザエの殻などの貝類が集中する層のほか、東西に横断する溝の跡も見つかった。
市教委文化財班の松見裕二学芸員は「集落の中でお祀りをする場所が見つかったのは大きな成果。引き続き当時の生活の様子を明らかにし、市の歴史を解明したい」と話した。