第44回交通安全子供自転車長崎県大会が7月23日、長崎市の県立総合体育館で開かれ、壱岐地区代表として38年連続出場した初山小学校が、団体戦出場19チーム中4位、個人総合では同チームキャプテンの冨永愛斗(あいと)さん(6年)が1165点(学科580点、実技585点)をマークして、2012年の村部菜月さん(当時初山5年)以来7年ぶりの個人総合優勝を果たした。
「後方よ―し!」「右よ―し!」「左よ―し!」。初山小学校の体育館と比べると10倍近い広さの県立総合体育館メインアリーナに、初山小児童の元気いっぱいの声が響き渡った。初山小の出走順は最終の19番目。有浦沙奈(しゃな)さん(6年)、馬場舞実(まいな)さん(5年)、長嶋芭奈(はな)さん(6年)が次々に安全走行テスト、技能走行テストに臨む。どのチームよりもはきはきとした元気な声で、自信たっぷりに競技を進めていく。そして全96選手の最後に冨永さんが登場すると、初山小応援団だけでなく、会場全体から大きな拍手が沸いた。
一昨年はリザーブ(予備)選手として4年生ながらチームに帯同、昨年は選手として出場し、1140点を挙げて5年生ながら個人総合7位に入り、初山チームの準優勝に貢献した。3度目の県大会の舞台で、のびのびと自分の力を発揮することができた。冨永さんは「最後の出番で、自分の後ろに選手がおらず、会場の全てが自分の走行に注目しているような気持だった。多少の緊張はあったが、それだけに最後までしっかりあきらめずにやろうという意識が強く、自分の走行をすることができた。個人優勝は、もちろん目指してはいたけれど、実際に発表された時には驚いた」と個人優勝を喜んだ。
冨永さんの得点は、学科が580点(600点満点)、安全走行が345点(同350点)、技能走行が240点(同250点)の計1165点。個人7位だった昨年の1140点から25点アップした。冨永さんは「学科で2問間違えてしまったのは残念だったが、技能走行はほぼ練習通りにやり切れた」と出来栄えに満足した。優勝を狙っていた団体戦は4位だったが、冨永さんはキャプテンとして「安全走行はみんなが345点を獲得して、初山小らしさを出せていたと思う」とメンバーの健闘を称えた。
2年ぶり4度目の優勝を飾った時津北は全校児童346人、昨年の覇者で今年は2位の大村中央も368人。全校児童26人、5・6年生合わせて8人しかいない初山とは規模が違うため、選手層の差を埋めるのは難しいが、冨永さんは「チームワークの良さではどこにも負けない。団体優勝は後輩たちに託します」と話した。リザーブの長嶋俊宏(6年)、日髙小萌(5年)を含めた6人のメンバーは7月25日に壱岐署を訪問し、横山信也署長に成績を報告した。横山署長は「団体4位、個人優勝という立派な成績を残してくれた。最後まであきらめない気持ち、必死に練習で頑張った成果だ」と健闘を称えた。