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子牛取引は初の30億円台。壱岐家畜市場

JA壱岐市の定例2月子牛市が1、2日の2日間、芦辺町の家畜市場で開かれ、昨年4月市場からの平成28年度子牛取引総額が約35億7152万円になり、平成4年の現市場開設以来、初めて30億円の大台を突破した。26年度は約24億4817万円、27年度は約28億7976万円で、急激な増加が続いている。ただ、2月市場の平均価格は87万4741円(牝78万3236円、去勢94万5590円)で前回の12月市場(90万705円)から約3%下落し、平成26年10月市場から14市場連続だった歴代最高価格更新記録がストップした。(価格は税込み)

2月市場初日の113頭目。ヒップナンバー79の「なつひめ」(牝、父美国桜=郷ノ浦・村本久生さん生産)が100万80円の高額で大分肥育業者ファゼンダ・グランデに落札されると、川﨑裕司組合長がセリを一旦中断した。
「この時点で、今年度の子牛取引総額が30億円を突破しました。購買者の皆様、ありがとうございました」とあいさつし、購買者、生産者それぞれに記念として壱岐焼酎を贈った。
この日、30億円突破が確実だったことからNHK、NCCなどのテレビカメラも入り、普段のセリとは違ったやや派手な雰囲気。30億円突破の場面は、夜の県内ニュースでも流された。
生産者の村本さんは「まさかこういうことになるとは、考えてもいなかった。縁起が良いことだが、テレビに映されて恥ずかしいですよ」と突然の注目に照れた表情を浮かべた。
川﨑組合長は「27年度があと一歩で30億円に届かなかったので、今年度の一つの目標だった。区切りの数字をクリアできてホッとしたが、トータルで35億円を超えたのは予想外の数字。改めて壱岐の和牛生産が農業の大きな柱であることを示した」と大台突破を喜んだ。
だが一方で、平均価格は前市場から減少し、沸騰を続けていた和牛バブルが一段落した印象もある。
川﨑組合長は「いま流通している和牛は、子牛の時には65万円程度で取引されていたもの。これからは80万円を超えた価格で仕入れたものが出てくるのだから、枝肉価格が落ち着いてくると肥育業者にとっては大変な時期を迎えることになる。子牛がある程度の価格で安定していくのは良いことだと思う。年間30億円という数字を今後も続けていくためには、生産頭数の確保が何よりも重要になる」と繁殖牛7千頭台復活へ向けて積極的に取り組んでいくことを誓った。

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