社説

「よそ者」はマーケット感覚がある人

北九州からIターンで壱岐に来て2年が経とうとしている。生まれも育ちも北九州で、毎日が慌ただしく、月日が流れたように思う。壱岐での仕事も慌ただしいが、取材する人たちの話や雑談は、気持ちを和ませてくれる。壱岐島民は本当に温かく、優しい。
「自然と共存したい」「まちづくりで地域貢献したい」「人とのつながりを大切にしたい」など、豊かな自然や文化、歴史などに恵まれた「地方」で新しい人生を歩んでいきたい、その願いが今、叶いつつある。
同じような思いで地域貢献に頑張っている4人がいる。壱岐市地域おこし協力隊だ。同協力隊は、壱岐島民には当たり前のことを、島外から見た「当たり前ではない壱岐」を描いた観光ガイドを製作。最近、話題となっているが、過大表現となっている部分もあるため、非難を浴びていると聞いた。
しかし、女性の目線で描かれているため、読んだ人が「壱岐ってどんな所だろう?」とワクワクするように工夫がなされている。今までに、こんなアイデアがあっただろうか。
まちづくりには「若者」「ばか者」「よそ者」の3人の存在が必要だと言われている。①若者は、過去の例にとらわれずに前向きに行動できる人。②ばか者は突拍子もないことを言い出す異端児。しかし、実は誰よりも地元の将来を案じており、その地元愛から来るアイデアは活性化に効果的なものが多く、誰も気がつかなかった大胆な企画が生まれることもある。③よそ者は、第三者の視点を持ち、客観的な情報から地域の強みや弱みを分析できるマーケット感覚のある人。
①②の人は、どの地域にも必ずいるが、地方自治体で圧倒的に欠けているのが③よそ者と言われている。長年、その地域で暮らしてきた人に比べると、よそ者は地域のことをあまり知らないため、「よそから来た人に何が分かる」と言う事がある。しかし、よそ者は外の世界を知っているため、その地域が何を発信すれば、多くの人が着目するかを知っているのだ。
小さな島で「よそ者」といがみ合っても何も生まれない。壱岐の将来をポジティブにみんなで語り合う。来年はそんな壱岐になれば嬉しい。

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