県は3日、今年4月19、20日に実施した本年度県小中学校学力調査の結果(速報版)を発表した。小学校5年生が国語、算数(328校1万1511人)、中学校2年生が国語、数学(178校1万1442人)、3年生が英語(178校1万1953人)が対象。壱岐市の平均点は21市町の中で、小学校国語が5位、算数が7位、中学校国語が5位、数学が18位、英語が20位だった。
本市の小学生の学力は、平成25年度に国語、算数とも県内21市町でトップを記録。26、27年度は4~5位と好成績を残してきた。今年度も、国語は平均点55・7点(県平均50・7点)で5位と昨年(4位)並みの好成績で、4項目すべてで平均を上回った。
算数は昨年の4位から7位に後退したが、平均点は59・0点(同57・1点)で、4項目のうち3項目で平均を上回った。
小学校の成績について市教育委員会は「国語に関しては、ほぼ満足できる結果が出たと思っている。日常の授業から、言葉を大切にすることを重視しており、それが国語の基礎力を高めている。『伝統的な言語文化』の項目が高得点なのは、各学校の取り組みで文化芸術に触れる機会が多いことが影響しているのではないか」と分析した。
算数についても「全体の順位としては下がったが、『数と計算』項目は2位と非常に高かった。常に取り組んでいる“問題解決的学習過程モデル”で、授業を工夫してきたことの成果が出ている」と評価をしている。
県は学校単位での成績発表は行っていないが、詳細なデータを持つ市教委によると「複式学級の成績も非常に良かった。県教委や市から派遣教員などの人的支援を受けて手厚い授業ができており、成績に結び付いている。本市に関しては複式学級による学力的な不安は全くない」と児童数減少による複式学級の増加も、現時点では心配をしていない。
中学校の国語は65・9点(同63・8点)で平均を超え、昨年(4位)と同等の5位だったものの、数学は47・0点(同51・8点)で平均を下回り、昨年(15位)よりさらに下がって18位。英語も57・9点(同63・1点)で昨年(21位)と同等の20位だった。
市教委は「国語は一昨年が13位だったので、2年連続の好成績は、授業内容が改善されたと見て良さそうだ。数学、英語は確かに低い順位で推移しており、さらにハッパをかけないといけない。英語に関しては、県平均との差はやや少なくなった。県教委から英語講師を招いて、教師が講習を受けている。今年度は英語教師を芦辺中に1人プラスして配置しており、芦辺地区の小学校で週1時間の外国語授業を行っているので、今後の成果に期待したい」などと課題を挙げた。
久保田良和教育長は「今後、データをより精査し、課題克服に役立てていく。急激に数字が高くなった小値賀町の取り組みも調べてみたい」と話した。