一支国博物館の常設展示室内比較展示コーナーで、5月21日から瓢箪(ひょうたん)形土器3点の展示「珍品逸品」が始まった。8月31日まで。
展示は国重要文化財に指定されている原の辻遺跡出土品など、いずれも弥生時代中期の瓢箪形土器。同形土器は国内で数十例しか発見されていないが、壱岐でそのうちの3例が見つかっている(その他の大半は福岡・元岡遺跡からの出土)。
瓢箪は種子が多く収穫できることから、その形状の土器は子孫繁栄、五穀豊穣などを祈願する目的で使用されていたと考えられている。中国大陸では漢代に同様の形状をした容器の蒜頭坪(さんとうこ)があり、主に酒や水などの液体物を入れるのに用いてられていた。瓢箪形土器も同様の使い方がされていた可能性がある。原の辻遺跡から出土した土器の頭頂部には、瓢箪が乾燥した時にできる筋を表現したと思われる放射状の沈線が描かれている。
カラカミ遺跡から出土した土器は、肩部に大きな孔があけられており、香りを楽しむものを入れていたとも考えられている。
常設展示室の観覧料は市内一般3百円、高校生以下無料。市外一般4百円、高校生3百円、小中学生2百円。