市議会定例会3月会議は23日の最終本会議で、「玄海原子力発電所の再稼動に反対する決議案」を議員発議で上程。全会一致で原案通り可決した。市議会は昨年4月に再稼動に反対する意見書を全会一致で可決しており、さらに反対の姿勢を明確にするため一歩踏み込んだ決議を行った。同様の決議は松浦市議会が8日、平戸市議会が本市と同じ23日に可決したが、その23日には玄海原発3号機が7年3か月ぶりに再稼動され、25日には発電と送電を再開。4月下旬には営業運転に移る予定。また同4号機も5月の再稼動を目指している。
決議案は町田正一議員が提出。福島第一原発の事故により7年が経過しても約7万人が避難生活を強いられていること、福島県飯館村の状況を見ても放射線の影響はUPZ(半径30㌔圏内)で収まらないこと、昨年3月に開かれた県による住民説明会で市民から安全性や避難に対する不安が払拭できないとの声が相次いだことなどを指摘。「万が一事故が発生すれば本市は壊滅的な打撃を受け、全島民避難を余儀なくされる。全島民が避難するには5日半かかると想定されている。再稼動に向けた取り組みが着実に進行していることは見過ごせるものではない」と訴えた。
その上で「壱岐市議会は、国の責任において福島原発の事故原因究明がなされて、原発の安全性検証の手段が確立されること、また実効性のある避難計画や方策などが確立されていない現状においては、市民の安全を守ることが出来ないものと判断し、玄海原子力発電所の再稼動に反対する」とした。
また期末手当を0・05か月分増額する、市長・副市長・教育長と市議会議員の議員報酬などを一部改正する条例案は、総務文教厚生常任委員会の赤木貴尚委員長が「昨年12月会議で市特別職報酬等審議会の答申の議案を否決し、2か月しか経過していない現時点で、報酬や期末手当の議案審議を行うのは時期尚早である」と否決した委員会の意見を報告。採決は全会一致で否決となった。
3月会議は、総額272億7千万円の新年度一般会計当初予算案など36議案を可決、1件を同意、3件を了承して散会した。