スポーツ

「甲子園優勝で壱岐に恩返しを」海星・小畑、土谷にインタビュー

今春の第88回選抜高校野球大会(3月20日~・甲子園球場)の出場32校が29日の選考委員会で決定する。一般選考の九州・沖縄地区の出場枠は4校で、秋季九州大会で準優勝を果たした海星(長崎市)の15年ぶり5度目の出場は確実な状況となっている。海星を支える壱岐コンビ、小畑翔大外野手(2年=主将、石田中出身)と土谷一志投手(2年、郷ノ浦中出身)に、甲子園へ賭ける思いを聞いた。
―2人揃って、甲子園のグラウンドに立つことが確実。いまの心境は。
小畑 甲子園出場は小さい頃からの夢だったのでもちろん嬉しいが、プレーできることに満足せず、勝ちに行く。最終的な目標は今夏の甲子園での優勝で、そのための糧となるような試合をしたい。
土谷 1年夏の甲子園でベンチ入りをしたが、登板の機会がなく悔しい思いをした。甲子園で投げるという喜びを感じ、春夏連覇を狙いたい。
―小畑さんはキャプテンに選ばれた。大所帯の海星は付属中学からの選手も多く、しかもスポーツ推薦ではなく一般入試で入学した小畑さんが、キャプテンに選出されるのは極めて異例だ。
小畑 夏大会の翌日に監督、コーチから呼ばれてキャプテンを任せると伝えられたが、自分から「キャプテンをやらせて欲しい」と言うつもりだった。夏は準優勝で、あと一歩で甲子園出場を逃して悔しかったので、自分がチームを引っ張って甲子園へ行くつもりだった。小学校、中学、そして離島甲子園の選抜チームでもキャプテンをやっていたので慣れているし、自分も成長できると思った。
―土谷さんは昨年3月に右ひじのじん帯断裂を発症し、夏大会はベンチを外れた。もう完治したのか。
土谷 手術はしなかったが、初めてのけがだったので、もう投げられないのでは、と不安にも思った。7月までノースローだったので、徹底的に下半身を鍛えた。投げ始めてからも痛みがあり、フォームもボールも思っていたようにはならなかった。いまも完璧ではないが、九州大会準決勝(鹿児島実戦)で1回途中からリリーフして最後まで投げ切ったことで、自信が戻った。
―小畑さんはキャプテンとしてだけでなく、3番打者として強打・海星の軸も任されている。中学時よりも大きくパワーアップして、長打も多くなった。
小畑 強打の海星、と言われるが、うちの基本は守りからリズムを作って攻撃に結びつけるのが信条。長打を狙うのではなく、バント、盗塁も絡めて、試合の中で活路を見出していく野球をしていきたい。3番は中軸だが、気負うことなく、後ろにつなぐバッティングを心掛けたい。九州大会の決勝(熊本・秀岳館に2‐13)では体格もパワーも違った。うちもさらにパワーアップはするが、それだけでは勝てないと感じた。
―土谷さんは現時点では先発・春田剛志投手(2年)の後を継ぐ役割か。
土谷 選抜では基本的にはリリーフになると思っている。いつでも行けるように準備しておくのが役割で、先発よりもアップの仕方、肩の作り方が難しい。それだけにやり甲斐もある。また甲子園を経験しているのはいまのメンバーでは服部(貫大外野手=2年)と2人だけなので、普段の力を発揮できるように、甲子園の独特な雰囲気などをみんなに伝えたい。
―お互いの存在は刺激になっているか。
小畑 土谷は1年の時から1軍で投げていて、常に前を進んでいた。僕は下の班から、いつも土谷に追いつこうと、自分の体を作り、監督・コーチにアピールしてきた。ここまで来られたのは土谷のおかげでもあるし、ゲームでも土谷がいつも抑えてくれる。本当に頼もしいヤツです。
土谷 離島甲子園の壱岐市選抜の時から、小畑がキャプテンだとチームの士気が高まるのを感じていた。下の班から這い上がってきた根性をみんなが知っているし、誰もが信頼し、認めている。一緒に甲子園で戦えるのは本当に頼もしい。
―壱岐出身の2人が甲子園で活躍してくれることは、島民にとっても大きな勇気をもらえる。
小畑 自分が出場していない時から、いつも壱岐のみんなが応援してくれていた。支えてくれた人たちへの恩返しを甲子園でしたい。離島甲子園のように、甲子園でもテッペンを取る!!
土谷 けがをした時も、壱岐の人たちからの応援で勇気をもらった。良くしてもらった分、喜んでもらえる結果でお返しをしたい。

秋季九州大会
準決勝リプレイ
▼鹿児島実戦 海星は1回表に先発・春田が4安打2四球で4失点する乱調。1回2死満塁から土谷がリリーフし、ピンチを無失点に切り抜けた。打線も4回に小畑の二塁打をきっかけに5点を挙げて逆転。土谷は9回までの8イニング3分の1を5安打1失点に抑え、6‐5の逆転勝ちで選抜甲子園出場を確実にした。

 

関連記事

  1. 子牛市でまたまた記録更新 平均65万円超え
  2. 7月1日一斉に乾杯 壱岐焼酎の日
  3. 壱岐-諫早 壱岐商-口加 高校野球選手権大会
  4. 外務省から人材支援が決定 副市長か幹部職員で2年間常勤 国の地方…
  5. 壱岐に初の「海の駅」 湯本に「湯がっぱ」オープン 地元有志が 手…
  6. 田中さん(長崎商)4区を疾走。全国高校女子駅伝で26位。
  7. 泥んこバレーで子どもに還る V‐Ancientが3連覇
  8. 壱岐高で入会式 ヒューマンハート部

おすすめ記事

  1. 元Vリーガーが直接指導 V・明日夢プロジェクト
  2. 公平に我慢、享受することも必要
  3. 早期解決向け1千頭を目標に 猫119頭に不妊去勢手術、12月に第2回予定 どうぶつ基金

歴史・自然

PAGE TOP