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女子・芦辺が中学統合後の最高順位4位で入賞。県中総体駅伝大会

県中学総体の第61回男子駅伝競走大会(6区間20㌔=1・6区4㌔、2~5区3㌔)と第36回女子同大会(5区間12㌔=1・5区3㌔、2~4区2㌔)が7日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎と周辺ジョギングコースで行われ、男女ともに32校が出場。女子の芦辺は、1区田中咲蘭(3年)が3位でたすきをつなぐと、2区以降も粘りのレースを続け、アンカーの山本珠莉亜(2年)が残り500㍍から3人抜きを演じ、42分46秒のタイムで2013年の5位を上回る4位入賞。壱岐代表チーム過去最高順位でフィニッシュした。女子・勝本は10位、男子・郷ノ浦は8位、男子・勝本は14位と壱岐勢が活躍を見せた。

女子・芦辺は、県中学駅伝に3年連続1区で出場の田中が流れを作った。各校がけん制し合いスローペースとなった序盤から積極的なレースを見せた。競技場を3番手で飛び出すと、そのまま最後まで粘り込み、トップと10秒差の3位で2区以降につなげた。

体調は決して万全ではなかった。同校は11月1日に新校舎に移転したため、その準備や後片付けなどで、直前の練習がほとんどできなかった。田中は1日の新校舎移転式で校歌唱和のピアノ伴奏を務めたため、その練習にも時間を割いた。アキレス腱にも多少の痛みがあり、脚の痛みで区間20位と失速してしまった昨年の苦い思い出もあった。

それでも「この仲間と走れる最後の大会なので、悔いが残らないように、最初から飛ばして粘り込む自分のスタイルに徹した」と不安を拭い去り、3番手のままタスキをつないだ。1年生で1区4位と衝撃の駅伝デビューを果たした一昨年を上回る順位。タイムこそ当時から2秒遅い10分16秒だったが、3千㍍の自己ベストで自身より15秒速い玖島・藤丸結(3年)に10秒差と必死に食らいついた。区間3位は現在は十八銀行女子陸上部の駅伝メンバーを務める田中の姉・亜可梨も記録したことのない順位だった。

キャプテン田中の激走がチームに勢いを生んだ。3年連続2区を務めた竹下早耶(3年)もこれまで最高の区間10位で総合3位を守ると、3区村田早岐(3年)も区間10位で3位をキープ。4区山本美魁(3年)は区間6位で、唯一の2年生メンバーとなるアンカーの山本珠莉亜に4番手でタスキをつないだ。

山本は「タスキを受けてすぐに後続に抜かれて、少し焦った」ものの、必死に前についていく。競技場に戻って来た時には、6位入賞圏に届かない7番手だったが、そこからが山本の真骨頂。残り500㍍からのラストスパートで1人1人追い抜き、最後はゴール手前10㍍で西諫早の選手を捉え、見事に総合4位でフィニッシュした。山本の懸命の走りに、スタンドからも大声援が鳴り響いた。

山本がゴールすると、芦辺のメンバー全員が駆け寄り、涙を流しながら抱き合った。山本は「1人抜けば6位入賞と判っていたので、必死に前を追った。1人抜いたら、さらに前の選手の姿が次第に大きくなってきたので、見える選手は全部抜こうとスパートした。先輩たちが素晴らしい順位でつないでくれたタスキを、私が台無しにはできないと思っていた。アンカーの役割を果たせて嬉しい」と満面の笑みを見せた。

田中は「珠莉亜はラストが強いことは判っていたので、競技場で1人は抜いて6位入賞は大丈夫だと信じていた。それがまさかの競技場3人抜きで4位。もう、最高です」と歓喜した。

壱岐市の女子代表チームは、4校に統合された2011年以降、11年勝本13位、12年芦辺19位、13年芦辺5位、14年芦辺17位、15年郷ノ浦12位、16年勝本13位、17年郷ノ浦6位、18年郷ノ浦7位が最高順位で、4位は統合後最高順位となった。選手層がモノを言う駅伝で、2連覇した桜が原が生徒数735人に対し、芦辺は190人。チームワークで強豪校に肉薄した。

応援に駆けつけた後藤久志校長も「選手たちには『結果にこだわれ』と発破をかけてきた。見事にその期待に応えてくれた」と新校舎移転直後に新生・芦辺中の歴史に名を残したメンバーたちを称えた。

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