市議会3月議会で、電動車両充電器利用料条例が可決した。
市が一支国博物館に設置した充電器(普通、急速各1台)を4月1日から利用開始するにあたり、各自動車メーカーなどの会員カードを持たない利用者に対して、急速充電器は5分まで250円、以降1分当たり50円。普通充電器は15分まで120円、以降1分当たり8円の料金設定とした(いずれも消費税別)。
車種にもよるが急速充電の場合15~30分で80%の充電ができ、100㌔程度は走行できると言われているので、島内なら1日乗り回しても電欠の心配はほぼないし、ガソリンに比べればかなり割安になる計算だ。
2010年に県の事業を活用して12億円の予算で電気自動車レンタカー100台を導入した五島市に比べると、壱岐市の取り組みは大きく遅れたが、当時より電気自動車や充電器の性能は格段にアップしており、いまからでも「エコカーの島」実現は難しいことではない。すでに稼働している充電器は4か所7台だが、一支国博物館を含めて12か所17台(急速4台)が近々設置予定となっている。
ガソリン代の高さが離島の大きなハンデで、壱岐市の場合、国の離島ガソリン流通コスト支援事業による1㍑当たり10円補助があっても、首都圏とは1㍑30円、県本土とも20円以上も違う価格となっている。レンタカーを利用した観光客の多くが給油時に驚いているが、自動車がなければ生活ができない壱岐市民にとっては、より深刻な問題になっている。
この価格でも経営が厳しく閉店するガソリンスタンドがあり、問題は小売店にあるわけではないだけに、価格差解消は簡単ではない。レンタカーだけでなく、自家用車も今後は電気自動車(現在島内に25台)が急増するだろう。
五島市でも導入時はガソリンスタンドとの兼ね合いが問題となったが、現時点では解決しているようだ。市内は自動車ディーラーでの充電ができないので、誰でも利用できる急速充電器の設置拡大が望まれる。