社説

本末転倒な議会の姿勢

syasetsu 5日の市議会定例会3月会議初日に、平成26年度一般会計当初予算案が上程され、新年度に壱岐市が取り組む新規事業などについて説明が行われた。その内容については、今後の議会で論議されていくので、評価はその後にしたいが、この当初予算案概要の発表方法は極めて異例なものだった。
当初予算案は2月27日に出来上がっていた。これは全国の大半の自治体が行っていることだが、当初予算案は出来上がり次第速やかに、その内容が報道機関を通じて市民に発表し、その後、議会に諮られるという手順を取る。だが壱岐市の場合、予算案の金額だけは発表されたが、概要は議会初日まで伏せられた。
2月末の新聞記事を見れば判って頂けると思うが、県内各自治体が新年度にどのような事業を行う予定なのか、壱岐市を除いて詳細に書かれている。だが壱岐市だけは概要が発表されていないため、金額だけの数行の記事しか掲載されていない。市民は議会が始まるまで、その内容を知ることができなかったのだ。
市役所に聞くと「議会からの要望」という弱腰姿勢。議会は「市の発表はまず議会に行われるべき」という考え方のようだ。議会は、新庁舎建設検討委員会のマスコミ発表についても昨年12月議会で「議会より先に報道機関が知っているのはおかしい。市民から“何で議員が知らないのだ”とお叱りを受けた」とクレームを付けていた。
そのため小学校統廃合に関しての教育委員会からの発表は、その内容は早くから決まっていたのに、「議会での説明後でなければ発表できない」との理由で、議会開催日に合わせてようやく発表された。市民にとって一刻も早く知りたい情報が、議会の要望によって伏せられていたのだ。
議員が市の発表事項について一刻も早く知りたいのであれば、同時に発表資料の配布を受ければ済むことだし、会見に同席しても構わない。クレームをつけて発表を遅らせるのは、本末転倒もはなはだしい。
特に新年度当初予算案は、壱岐の今後を大きく左右する重要な事業が含まれているのだから、議員にしても議会で十分な論議をするために、1日でも早くその概要を知り、勉強しなければならなかったはず。それを自らの手で遅らせてしまった。他の自治体から笑われていることを知るべきだ。

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