社説

地域一丸となった観光客対策を。

先日、フェリーで博多港に着き、バスで博多駅に向かおうとした。フェリーから早い順番で降りると、ちょうど停留所にバスがいたので乗り込むと、すぐに発車した。自分にとっては良いタイミングだったが、その後にフェリーを降りてきた人は、すでにドアの閉まったバスの横で困惑の表情を浮かべた。

「すみません」と声を出す人がいたので、運転手はため息をつきながらドアを開けて乗客を乗せたのだが、アナウンスで「早くしてください。発車時間が過ぎています」といらだった声を挙げた。まだバス停に向かっていた人もいたが、半ば強引に再度発車した。気分の良くない光景だった。運転手にとっては、定時運行は重要な任務だし、始発での発車が遅れれば途中のバス停で待っている乗客にも迷惑が掛かる。時間になったら発車するのは仕方がないことだが、接客業として客をなるべく不快にさせないためのマニュアルはあるはずだ。

それよりも、ベイサイドプレイス発のバスを、フェリー・ジェットフォイルの到着時間に合わせることはできないものかといつも思う。船には多くの便があるが、乗降客が多いのはやはり壱岐・対馬航路なのだから、この到着時間に合わせることは経営上も論理的であるはずだ。接続した乗り継ぎバスがあれば、九州郵船の船内でその発車時間を案内することができる。ベイサイドプレイスから博多駅での電車、福岡空港での航空機に乗り継ぐ場合、その時間配分に苦労する人も多い。荷物が少なければ天神まで歩いたり、金銭的な余裕があればタクシーを利用すれば良いが、旅はやはり荷物が大きくなるし、旅費はなるべく安くしたいものだ。

土地勘のない観光客は、こうした不便さ、不確実さが地方へ足を向けさせない要因にもなる。せっかくの楽しい旅も、1人の言動だけで最悪の思い出になってしまうこともある。交流人口拡大のために地域が一丸となった取り組みの重要さを改めて思い知った。

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