平成25年度完成箇所優秀工事の壱岐振興局長表彰が17日に行われ、郷ノ浦町の築出迎(つきだしむかえ)地区急傾斜地崩壊対策工事(2工区)の工事を行った株式会社広瀬組の広瀬守孝社長(74)に、松尾明彦局長から賞状などが贈られた。
同地区は郷ノ浦町の市街地に位置し、保全対象の63戸(同工区は7戸)を含む高さ28㍍、勾配45度の急傾斜地。昭和45年に急傾斜地崩壊危険区域に指定され、対策工事を実施済みだったが、施設の老朽化により小崩落を繰り返し、人家に被害が及んでいる状況だった。
松尾局長は「県振興局発注の65件の中から、他の模範となる工事を選出した。広瀬組の工事はコンクリート品質に細やかな配慮がなされていた」と表彰理由を説明した。
広瀬組の担当工区は以前のコンクリート吹付がもろくなっている上、岩盤ももろく、工事には細心の注意と高い技術が必要だった。現場責任者の森村裕彦さん(59)は「効率は悪いが危険を伴うので、安全第一に工事を行った。傾斜地でコンクリートが詰まらないように配合を変えたり、ポンプ車が届かない部分は郷ノ浦大橋から60~70㍍の配管を行ってコンクリート敷設を行うなど工夫した」と工事の苦労を語った。