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「運賃値下げは本当に助かる」国境離島新法がスタート。郷ノ浦港、空港 でセレモニー。

国境に接する離島の無人化を防ぐことを目的とした国境離島新法が1日施行した。新法の各種施策の中で、もっとも市民に判りやすい航路・航空路運賃の低廉化もスタートし、市は航路・航空路の第1便が出港・到着する前の同日午前6時半から郷ノ浦港で、同8時25分から壱岐空港で「有人国境離島法施行記念セレモニー」を開いた。出席した白川博一市長、山本啓介県議らは新法が無事にスタートしたことに安どの表情を見せ、年度替わりの週末で両港とも混雑している中、利用客も「運賃値下げは本当に助かる」と笑顔を見せていた。

早朝の郷ノ浦港で行われたセレモニーは、乗船を待つ長蛇の列の前で行われ、行列の先頭に並んでいた郷ノ浦町の末永広子さんとともに白川市長ら関係者がくす玉を割ると、行列からも拍手が沸いた。
壱岐~博多間往復はジェットフォイルがこれまでの島民割引(3DAYS)6060円から5250円(14日以内)に、フェリー(2等、14日以内)は同3370円から2590円に値下げされた。印通寺~唐津フェリー(14日以内)は同3230円から1690円へ5割近い値下げ幅となり、長崎、福岡へ出かける島民の負担は大きく軽減される。
白川市長は「4月1日は本市の歴史に残る、記念すべき日となった。壱岐の未来を変えると言っても過言ではない」と興奮気味に語った。山本県議は「新運賃は島民には直接的に、観光客にはもう1泊してもらうことで恩恵がある。この新法を本市の活性化に活かせるかどうかは、私たち次第だ」と今後の取り組みの重要性を指摘した。
九州郵船壱岐支店の市山智弘支店長代理は「年度替わりの時期は通常でも混雑するので、新料金の影響があったかどうかはまだはっきりしないが、今後は確実に利用者が増加すると期待している。初日から(島民割引を適用するための)身分証明書の確認でも大きなトラブルはなかったし、国境離島島民カードが配布されればよりスムーズにいくだろう」と今後の利用者増に期待を込めた。
壱岐空港でも同様のセレモニーが行われ、長崎からの第1便で到着した乗客を白川市長らが出迎えた。壱岐~長崎間の島民割引航空路片道運賃は7150円(ANAは7450円)から4800円に値下げとなった。
この便で子ども2人と一緒に到着した溝上かおりさん(45、田河小学校教諭)は「実家が諫早なので、年に数回は航空機を利用して帰省している。往復で大人1人4700円も節約できるし、子ども料金(3~12歳は5250円が4800円)も安くなったので、本当に助かる」と実感を込めた。
セレモニーに出席したオリエンタルエアブリッジの忍田俊史副社長は「壱岐発の1便はほぼ満席になった。長崎に行くには、ジェットフォイルで博多経由よりも安くなるのではないか。海が荒れていても運航が可能な飛行機の利便性をより感じてもらえるようになると思う。秋には新たに機材を導入予定で、滑走路が短い壱岐には残念ながら降りられないが、他の区間に就航することにより機材に余裕ができる。壱岐~長崎間の1日3便運航などの要望もあり、今後いろいろと考えていきたい」と話した。
航路・航空路の第1便を見送った白川市長は「航空機は、県都である長崎に往復1万円で行けることで、様々な恩恵をもたらしてくれる。航路もそうだが、低廉化で市民生活が文化的に少しでも豊かになることで、定住人口増加に結び付けていきたい。観光客は現時点ではパック旅行だけが割引の対象だが、これを交流人口拡大につなげるとともに、個人旅行も対象になるように交渉をしていく。壱岐出身者などが対象になる準島民の割引も、できるだけ早く適用されるように国に働きかける」と今後の方針を語った。

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