政府は9月29日、「地方創生法案」と「地域再生法改正案」の2つの法案を閣議決定し、国会に提出した。
創生法案は「人口減少に歯止めをかけ、首都圏への人口の過度な集中を是正する」ことを強調。地域の特性を生かした起業の支援などにより雇用を生み出すことを目的としている。
地域再生法は、雇用創出や町づくりなどの事業を自治体が「地域再生計画」にまとめ、国に申請すると財政支援が受けられる仕組み。改正案では、自治体が企業立地促進など支援を国に求める場合、これまで複雑だった申請手続きをの窓口を内閣府に一本化する。
安倍晋三首相は所信表明演説で今国会を「地方創生国会」と位置づけ、「地方の個性を活かす」ことや「女性の活躍」を強調。鳥取・大山の地ビールや島根県海士町のさざえカレーなど地域産業の具体的な成功例を挙げ、「大きな都市をまねるのではなく、個性を最大限に活かしていく発想の転換が必要だ」と、地方に創意工夫を呼びかけた。
地方創生本部は、今後5年間の「総合戦略」を年内にまとめるため、早急に地方側からの意見聴取を始める。地方のアイデアを少しでも予算に反映させる方針を示している。
地方創生へ向けて、国の動きは急ピッチとなっている。各省庁も予算編成へ向けて活発に動き出す。来春の統一地方選へ向けて、政府与党も目に見える結果を求めている。いまこそ、この1~2か月こそが、壱岐にとって最大のチャンスだ。
市長は市議会9月会議で「地方創生本部はやる気のあるところに支援する。市役所力が試される」と明言した。まさにその通りで、壱岐市が独自の創生アイデアを提案すれば、それがすぐに予算化される可能性が高い。
両法案には壱岐市の課題の多くが含まれている。第2次壱岐市総合計画の策定など、とても待っていられる状況ではない。地方創生本部が本格始動すると同時に次々に提案をぶつけ、国に負けないスピードで、怒涛の攻めを見せなければならない。