湯本地区の旅館、飲食店、農業業者など21軒で組織する「湯本きばろう会」(原英治会長)は23日、農林水産省の「都市農村共生・対流促進対策交付金事業」(平成26年度から3年間)を活用して、「『おさかなセンター』を拠点とした都市農村交流を活発化させる事業」を実施することを発表した。総事業費は2405万円で、このうち2350万円が国からの交付金で賄われる。
「おさかなセンター」は湯本中心部に立地する市所有の遊休施設で、平成12~21年に勝本漁協が海産物販売に活用していたが、閉鎖されてすでに5年が経過している。
この施設を湯本地区に言い伝えられている「湯がっぱ伝説」にちなんで「海の駅・湯がっぱ」として住民の手で再オープンし、農水産物販売・体験交流の拠点施設とすることが事業の中心となる。
市議会6月議会に施設の清掃、整備などに関する補正予算案が上程され、それが可決され次第、市から施設を無償で借り、事業を本格スタートさせる。
農水産物や未利用品を用いた加工品などの販売、魚さばきやイカ生干しなどの体験、施設裏側岸壁から遊漁船を出航させてサンセットクルージングやアゴすくいなど、島内外の子どもたちや観光客が集まる様々なメニュー作りを計画している。
担当の品川直毅さんは「湯本地区はサンドーム、おさかなセンターの長期閉館で、地区の閉塞感が増長している。温泉はあるものの、テーマ性を持った地区連携が不十分で、観光客の減少も続いている。湯がっぱをキャラクターとして認知度を高めて、来訪者の増加を図りたい」と話した。将来的にはレストランの設置も計画している。
この事業に先立ち、6月から「壱岐・湯本温泉活性化プロジェクト第1弾」として、毎月26日を「風呂の日」と決め、当日は島内4コースに無料送迎バスを運行。交通の足がなく湯本での立ち寄り入浴ができなかった市民などに、温泉のPRを行う。入湯料金、食事代は実費となる。
また毎週木曜日にダイエー壱岐店が運行している無料送迎バスを活用し、買い物帰りに湯本温泉で入浴できるプランも実施。入浴後は個別に乗車場所まで送迎する。
無料送迎バスの利用は3日前までの予約が必要。詳細は湯本きばろう会事務局(電話:43‐0755)まで。