社説

もう一度訪れたい壱岐に

syasetsu 「おもてなし」の基本は、自分がそれを受けた時にどのような気持を抱くかにある。「観光」は、自分が旅行に出掛けた時に感じた「感激」を、自分たちの町でも観光客に対して実践しているか、「不満」を「他山の石」としているのかが重要だ。
先日、富山県へ旅行へ出掛けた。チケットを買うため富山地方鉄道の窓口で先客に続いて並ぶと、奥にいた背広姿の職員が走ってきて、閉まっていた隣の窓口をすぐに開けた。「大変にお待たせ致しました。どうぞこちらの窓口をご利用ください」。じつに気持ちが良かった。
壱岐の交通機関の窓口に長い行列ができていて、2つの窓口で開いているのは1つだけ。奥には職員が何人かいる、という光景を見掛けたことがある。職員にはそれぞれ仕事があるのだろうが、事情を知らない観光客はガラス越しに「暇そうなのに」と見えてしまう。
富山駅観光案内所に立ち寄ると満面の笑みで迎え、様々な提案をしてくれた。「バスは後ろのドアから乗車し、降りる時にブザーを鳴らして、210円をお支払い下さい。両替機が付いていますので、小銭をお持ちでない時には、先に両替しておくと便利です。いまから停留所に行かれますと、ちょうど5分ほどでバスが来ます」。
地元の人には当たり前の習慣であっても、初めてその土地を訪れた人には戸惑うことも多い。バスの乗降はその代表的なものだが、旅人の気持ちになって教えてくれた。
高志の国文学館という博物館を訪れた時に、案内係に軽い気持ちで素朴な質問したところ、すぐに答えが出せないものだった。すると「後ほど学芸員から連絡をさせますので、よろしければ電話番号を教えて頂けますでしょうか」と聞かれ、その日のうちに学芸員本人から電話をもらった。徹底した利用者サービスだった。
壱岐では観光客に対して、どれだけ徹底したおもてなしを行っているだろうか。官民一体となって、すべての面で見直してみることが必要ではないか。

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