夏休みに突入。台風が連続して襲来し、梅雨明けが遅れていた壱岐だったが、ようやくもっとも光り輝く季節を迎えている。楽天トラベルの人気急上昇離島ランキングでは全国3位となっており、今年の夏は観光客がどっと訪れるのではないかと期待している。
だが先日、夏の壱岐の代名詞である筒城浜海水浴場を訪れてみると、絶好の海水浴日和だったにもかかわらず、意外にも観光客が少なかった。筒城浜の夏季利用者数は一昨年が2万1千人、悪天候に見舞われた昨年は1万6千人。平成13年には5万1千人を超えていたのだから、その落ち込みは単に天候だけの問題とは思えない。
若者の「海水浴」「海遊び」離れが著しく、海水浴場利用者は全国的に減少しているが、それでも13年間で3分の1にまで落ち込んでいる場所は少ない。同じ離島で筒城は同様「快水浴場百選」に選ばれている五島市高浜海水浴場は、13~16年は2万3~4千人で推移し、25年1万8千人、26年1万3千人だった。
筒城浜の海の美しさ、ビーチの雄大さは、沖縄を除けば全国屈指だと思っている。広大な芝生広場、キャンプ場、バーベキュー施設もあるし、簡単なマリンスポーツを楽しむこともできる。海の家を利用しなくても更衣室、シャワー、トイレがある。駐車場は無料で3百台のスペースがあり満杯になることはまずない。本数は少ないが郷ノ浦からバスも出ている。海水浴場としてはかなりの設備・環境が整っている。
だが他の人気海水浴場と違う点として、観光地としての意識が不足しているかもしれない。ビーチへ向かう遊歩道脇の池には不法投棄された鉄材や木材などゴミだらけで、アオモが大量に発生している。せっかくの青松と白砂の歩道には、海の家や民宿関係者と思われる車両が駐車している。景色が美しいだけに汚い部分がより目立ち、リゾート気分を損なっているのだ。
それを解消するだけで利用者が増えるとは思えないが、まずはやれるところから改革していく心構えが「おもてなし」の第一歩だ。