一支国博物館で13日、第41回特別企画展「壱岐のほとけさま~金銅仏編~」が1階テーマ展示室で開幕した。9月24日まで、入場無料。仏教が日本に伝わって以来、日本には朝鮮半島や中国から多くの仏像が持ち込まれており、その中でも銅を主成分とした金属を用いて鋳造され、表面には金が施された金銅仏は、現在、壱岐で40点が確認されている。そのうち県指定有形文化財2点、市指定有形文化財7点を含む20点が今回展示されている。
金銅仏の中でも小型の小金銅仏は、貴族階級以上の個人が日常生活の中で安寧を得るためなどの念持仏とされていて、制作地、年代、作者などはほとんど知られておらず、見つかっている数も多くない。その神秘性、秘匿性を感じられるように、展示会場は暗いライティングで雰囲気を醸し出している。河合恭典学芸員は「仏像の姿、形を愛でてもらい雰囲気を楽しんでもらうライティングにした。説明文も最小限のものを一応は付けているが、敢えて見えにくくしている。朝鮮三国時代(紀元7世紀以前)の2体など仏教伝来の歴史を物語る価値が非常に高い金銅仏もあるが、その価値よりも尊厳さ、美しさ、気高さなどを感じてもらいたい」と話した。
期間中の9月9日には壱岐学講座「壱岐のお宝仏像を訪ねて~釈迦如来編~」(講師=NPO壱岐しま自慢プロジェクト・殿川穂会長)、同23日には特別講座「壱岐の仏像」(講師=佐賀県立博物館・竹下正博学芸員)が開かれる。時間は両講座とも午後2時から。入場無料。