長崎がんばらんば国体の開幕まであと約2か月と迫った9日、原の辻ガイダンスで国体炬火の採火式が行われ、市内小中学校の児童・生徒200人以上が参加。火起こしの道具である大型のマイギリを使って子どもたちが採火し、リレー方式で白川博一市長の持つトーチに点火された。炬火は9月6日に長崎市で行われる県集火式に、壱岐市炬火として運ばれる。
台風11号の接近で強風が吹く中でのイベント開催。場所が一支国王都復元公園から原の辻ガイダンス前に変更されたが、子どもたちは滅多に経験できない炬火リレーを楽しみに続々と集結した。当初は100人を予定していたが、応募が多数だったために200人に変更。家族らも多く集まったため、ガイダンス周辺は黒山の人だかりとなった。
原の辻遺跡を望む場所で、古代をしのばせる大型マイギリで壱岐市らしい採火方法を選択。強風という難しい条件下で、中学生4人が協力し合い、懸命に火を起こした。百﨑琳恭(りく)さん(石田3年)は「無事に火を起こすことができてホッとした。このような大役、もう経験できないかもしれないので緊張したが、素晴らしい思い出になった。自分たちの起こした火が大会期間中、炬火として燃え続けると思うとうれしいです」と話した。
起こした火は集まった200人が松明(たいまつ)で次々にリレーしていき、副司祭者役の久保田良和教育長に届けられ、久保田教育長は壇上に上って一支国王の白川博一市長のトーチへ最終リレーを完了。白川市長が炬火台に着火し、さらにランプに収納して採火を完了した。
一支国王は「いまここに、2千年以上の歴史を持つ原の辻遺跡から火を起こすことができた。この繋がった火は国体開会式に繋げていくことになる。国体が、火を人類が繋いできたように、いまに、そして未来に繋げていけるように、素晴らしいものにしていきましょう」とあいさつ。
また「今年は壱岐に電気会社が設立されて100年目にあたる。来年は電気による壱岐の灯がついて100年。壱岐が生んだ日本の電力王・松永安左エ門が、今を生きる私たちに豊かさや便利さを与えてくれた」と「火」にまつわる歴史を子どもたちに伝えた。
この日、採火された炬火は、市国体推進課が白金カイロで保存し、9月6日に富場脩聖さん(芦辺中1年)がJR長崎駅で開催される県集式に持ち込み、県内21市町の炬火を一つにして、総合開会式(10月12日、諫早市・県立総合運動公園陸上競技場)で炬火台に点火される。